2008年05月06日

短編集「見知らぬ妻へ」浅田次郎


「下品な音を出すな」と、下劣なマエストロから言われた
僕は、詫びるかわりに、タクトをマエストロの顔に投げ返した。

必死で練習に明け暮れた僕だったが、そのことがきっかけで
大きなチャンスをつぶしてしまった。

一人のチェリストのその後と、彼を頼る多くの人たちの想いが
交錯する物語。
そして、僕はマエストロになった。覚悟はできている。
「スターダスト・レビュー」



今日も、ぼったくりバーに連れ込まれた客が、酒に睡眠薬を
入れられ、金を奪われ、路上に放り出される。

主人公花田は、不倫の末家族と別れ、今はキャッチをしていた。
そして、10年間、毎月10万円の仕送りを続けていた。

最近、娘が花田といっしょに暮らしたいと言ってきた。どうやら
妻が現在つきあっている男と近々結婚するらしい。娘は、
一縷の望みを掴もうと、必死に花田に呼びかける。家族に戻ろうと。

そんな花田の元に、「偽装結婚」の話が舞い込む。
出稼ぎに来ている中国人と結婚してほしいというのである。
なかば強引に話は進み、花田は李という女性と結婚をした。
李は、必死に生き、国に10万円の仕送りをしていた。
それは、大晦日の夜のことだった。

李は、本当に美しい女性で、花田は家族というものの意味を
見出した。そして、彼女を愛し始めていた。しかし……。

「純情」故に傷つくのであれば、鈍くなりたいか?答えは否。
表題作「見知らぬ妻へ」


他6編を収録した短編集。前編を通して、ほろにがく切ない。
おすすめ度合いとしては、「鉄道員」「姫椿」の方がおすすめ。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 08:42| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの短編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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