100万回生きたねこは、100万回死にました。
彼は、いろんなひとたちの「かいねこ」となりますが、
本当のしあわせを感じることはありません。
ねこは、かいぬしのことがことごとくきらいなのです。
このあたりは、けっこうシビアでシニカルです。
ねこが死ぬことで、かいぬしたちはなみだをながすのですが
ねこは、へっちゃらなのです。かいぬしを好きでないし、
じぶんの立場に満足していないからです。
あるとき、ねこは「のらねこ」として生まれてきます。
そして、一匹の白いねこと出会い、はじめて自分以外の
そんざいを大切に感じるのです。いとしくおもうのです。
そして、はじめてねこはなみだを流すのです。
はじめて涙をながすねこ。そこに「しあわせ」の真意が
あります。ほろりとくる泣ける本です。
サンテグジュペリの「星の王子様」のような大人が読んでも
楽しめる深いタイプの絵本であり、根強いファンも多く、
私もその一人です。
「星の王子様」
http://book0001.seesaa.net/article/70465169.html