「泥の川」
戦後の復興間もない頃の話。
人の死は身近だった。
昭和30年頃の大阪を舞台にして、少年信雄は船に住む
姉弟と友達になるのだが……。
「蛍川」
竜夫は、父が50をすぎてこどもを諦めたときにできた子だった。
父重竜は、戦後の復興に乗じてのし上がったいわゆる事業家であり、
20年連れ添った女房を捨てて、こどもができた千代といっしょに
なったのだった。
時は流れて、竜夫は中学生になった。
重竜が体調を崩してしまい、千代と共に今後のことを考えなくて
はいけなくなる。竜夫は恋をしていた。親友も同じ相手に恋を
していることを竜夫は知る。
すごくいい作品です。ラストの蛍を観に行く所も見所ですが、
やはり男同士の「友情」を描いた2つの場面がイチオシです。
こういう友を持ちたいものです。おすすめの文学作品です。感動。