新宿署鮫島警部は、ワル共の間でたった一人でも獰猛に犯罪者を
追い詰める性格から、「新宿鮫」と恐れられている。
本編は、新型覚せい剤をテーマにした、ハードボイルド長編。
鮫島の生き方、考え方がすてきで共感を覚えます。
なぜルール(法)を遵守させ、犯罪者を捕まえるのか。
それは、まじめに生きている人が法を守らない輩によって、
泣きをみたり、無力感ややるせなさを感じたりしないためだ。
どのシリーズかは忘れましたが、こんなようなことを鮫島が
言っていて印象的でした。
超難関といわれる国家T種試験を合格し、エリート中のエリート
だった鮫島は、ある事件をきっかけに刑事として動きまわって
います。それは、ある種警察組織が抱える矛盾に満ちた問題。
事件によって、傷を負った刑事に重要な役割を与えるなど、
このシリーズの完成度の高さにはいつも驚かされます。
まず、シリーズ最高傑作と評されている第一弾「新宿鮫」(400ページ)
を読んでほしいです。音楽に生きる恋人フーズ・ハニイの晶との
出会いと事件が描かれています。映画化もされています。
眠らない街 もう一度 星屑のほほえみを ♪
本の方がおすすめです。
無限人形は570ページ、読み応えがあります。
「新宿鮫シリーズ」は、9巻「狼火」まで読みました。
相変わらずすごいと唸らされるすばらしい作品でした
昌をはじめとしたいつものメンバーが登場しない、
「灰夜」だけは、ちょっと見劣りする気がします。
ある意味シリーズの転換的な作品でもあります。
「天使の牙 上・下」もお薦めです。