2008年02月21日

直木賞「ナポレオン狂」阿刀田高


「ナポレオン狂」

狂人と常人の違いは一体なんであろうか?

ナポレオンをこよなく愛し、ナポレオンの狂信的とも言えそうな

南沢氏と私は知り合いだ。彼は、ナポレオンにまつわるものなら

何でも欲しがる男であったが、ナポレオンのためならば金に

いとめをつけなかった。南沢氏は、たしかに異常なまでに

ナポレオンに入れあげていたが、それ以外は全くフツーだった。


そんなある日、私は自分がナポレオンの生まれ変わりだという

男と出会った。そんなばかなと思ったが、確かに彼は日本人離れ

した容貌をしており、ナポレオンにそっくりだった。

私は、この男を南沢氏に会わせてみようと思いつくのだが…。


この発想はすごいと思う。伏線の張り方もうまい。


「来訪者」

この世の中には、富める者と貧しい者がいる。

主人公は生まれながらに金持ちであり、主人公の病院に出入りして

いた雑役婦(≒便利屋さん)は経済的な意味で恵まれていなかった。

主人公の家にやってきた雑役婦の真意とは……?

日常に潜むホラーをたくみに描いた傑作。これは怖い。


「縄」

死のうとしている人間の所にやって来るという「縄」。

編集者の元に届いた、不気味な手紙。闇の暗さにくらくらする。


13の短編集。13の文字が意図するものは、まがまがしさだ。

直木賞受賞作品「ナポレオン狂」や、日本推理作家協会賞の

「来訪者」などを含む著者の代表的な作品を収録している。

その内容は、ブラックユーモア溢れる内容でありおすすめである。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 18:39| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの星新一・筒井康隆等SF小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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