2008年02月19日

芥川賞「ひとり日和」青山七恵


先生をしている母が、中国に仕事に出かけた関係で

私(知寿 ちず)は親戚のおばあさん(吟子さん)と

いっしょに住むことになった。ネコが大好きで、50も

年の離れた吟子さんとの「新生活」が始まった。


私は、学校の先生のこどもだが、勉強が大嫌いで大学に

通うこともなく、フリーターをしている。恋人もいるのだが、

希薄な関係しか気付けていない。コンパニオンの仕事を

していたが、いっしょに住んでいるおばあさんの家から

見える駅の売店の売り子を始める。そして、恋をした。


私には、昔から「盗癖」があった。人がとるに足りないと

感じそうな教室に落ちている消しゴムだとか……

そういった物をこっそりポケットにしのばせて持ち帰る。

私には、そんなちょっと暗くて、淋しい一面があった。


吟子さんは、70歳でありながら元気で精力的に生きていた。

ボーイフレンドもいた。ネコが大好きで、部屋にはネコの

額縁の写真が並んでいた。なぜか名前はみんな同じ。

わからない。70になって恋をしたりするなんておかしい。


若いときっていうのは、ゴーマンなものかもしれない。

主人公を見ていると、切にそう思う。もちろん50も年が離れた

人の気持ちなどわからないのだが、吟子さんに意地の悪い態度を

とる主人公を見ていると、なんかそんな気持ちになった。

160ページの短編。2007年度芥川賞受賞作品。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 07:32| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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