2008年02月12日

短編集「約束」石田衣良


生きているとつらいことや悲しいこと、理不尽なことに出会う

ことがある。壁にぶつかって、立ち止まったりすることもある。

主人公たちは、それらを体験しながら、それでも

前へ突き進もうと生きていく。読後感のよい作品を集めた

7つの「再生」と「感動」的な物語。特に表題作「約束」はイチオシ。


「約束」おすすめ

幼なじみであり、唯一無二の親友、そして自分のあこがれの

ような存在であった同級生の死。

「彼はボクをかばって死んでしまった。

ボクが被害者になればよかったんだ」

少年は、決して感じる必要のない自責の念にかられてしまい、

自傷行為を繰り返す。

「ボクも死んでしまいたい……」

最悪の選択を選びかけた少年の元に現われたのは、

たくさんの鮮やかな思い出を残してくれた少年の親友だった。


池田小事件に深い怒りと悲しみを覚えた作者渾身の一作。

「約束」って言う言葉の意味を考えさせられた。感動・号泣。


「青いエグジット」

左足を失ってしまってから、わがまま・横暴を繰り返す息子。

事実上の左遷によって、定年間近でありながら苦境にたたされた

主人公。そして、息子のわがままにおろおろする妻。

家庭と家計が崩壊間近という悲惨な苦境に立たされた家族。

いっしょに出かけた本屋に貼られていた、「スキューバダイビング」

のポスターに興味を示した息子の横暴とも思えるわがままによって

家族は痛い出費を迫られることになるのだが……。

美しい景色を見て、この景色を誰かに見せてあげたいと思った

ことはありますか?


「ひとり桜」

日本人は桜が好きだ。満開の桜が好きな人もいるだろうし、

散っている様が好きな人も、まだ蕾の状態が好きな人もいるだろう。

カメラマンである主人公は、毎年のように撮りにくる桜があった。

9分9厘がこの桜にとって、最高の被写体になる。彼は、悲しみを

乗り越えようとしているひとりの女性と出会った。

写真には写らない部分があってもいい……。

写真には写らない美しさがある……。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 07:21| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの短編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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