2008年02月06日

小説「阿弥陀堂だより」 南木佳士( なぎ けいし)


少年時代に祖母といっしょに山奥の田舎で、ほそぼそと

暮らしていた孝夫は、40歳を過ぎて妻美智子と共に

信州谷中村六川集落に帰ってきた。そこは、素朴で

地に足がついた人々が生きる小さな集落だった。

その村には、「阿弥陀堂」と言われる習慣があり、

阿弥陀堂には、阿弥陀堂守と言われる身寄りのない

「おうめばあさん」がいた。

村には、難病によって声を発せられない若い女性

小百合ちゃんがいて、「阿弥陀堂だより」を書いていた。

ほのぼのとした作品であり、文学的な作品。芥川賞作家

である著者の力が遺憾なく発揮されており、切ない

ストーリーを推移するも読後感はよくやさしい雰囲気。

スローライフと、率直に生きることの難しさや確かさを

描いた心温まる物語。登場人物が少ないのも読みやすくてよい。


孝夫:少年時代を祖母と暮らす。まじめで働き者だったが、
  祖母をおいて文学と出会い谷中村を出てしまう。
  42歳の厄年。まさに人生の分岐点を迎えている。

  その後、大学進学、サラリーマンを経て売れない作家に。
  実直、祖母を置き去りにしたことに罪悪感を抱き、
  「おうめばあさん」に祖母をダブらせていて、気にかける。


美智子:高校時代の孝夫のクラスメイトにして、恋愛を通じて結婚。
   学生時代に吹き荒れていた、大学紛争に疑問を抱いていた
   孝夫と考えを同じくしていて、身のある医者という仕事を
   志す。いわゆる、病める人の痛みがわかるタイプの人間。
   順風満帆かと思われていた彼女の人生だったが、ある事件を
   きっかけに孝夫といっしょに、谷中村で住んでみることに。
   医者である作者の描く話しにはリアリティーを感じる。

おうめばあさん:
   孝夫が少年時代にも谷中村堂守だったが、現在も現役。
   半世紀の間堂守をしている現在96歳のおばあさん。
 
   野良仕事に精を出すほど元気であり、一汁一菜式の
   簡素な食事をしている。

   阿弥陀堂だよりの答え手であり純粋。
   村人から慕われている。
        
小百合:阿弥陀堂だよりのインタビュアー兼発信者。
    23歳。すぐ顔が赤くなる好感の持てる人物。
    難病を抱えている。

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埼玉県寄居大和水! 日本百水のひとつ。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 18:10| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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