温泉に訪れた男女5組の物語。180ページ。
「初恋温泉」
光彦は、レストラン経営者。妻の彩子と共に、熱海の温泉に
やってきたが、彩子から「離婚しましょう」と言われる。
動揺する光彦に、「あなたは、自分のいい時しかみせてくれない」
とつぶやく。
「白雪温泉」
若菜と辻野は、青森の温泉にやってきた騒がしいカップル。
口から生まれたようなおしゃべりな男辻野と、その倍はしゃべる
若菜は「離れ」の間を希望したが、その部屋はおとなりの部屋と
襖一枚隔てただけの部屋で、二人は激しく後悔した。
そして、おとなりの二人組がやってきたが彼らは驚くほど「無口」
なカップルだった。
「ためらいの湯」
ダブル不倫によって勇次と和美は、真夏に京都の温泉にやってきた。
罪悪感抱きながら、満たされぬ湯につかぬ湯に入る主人公が印象的。
「風来温泉」おすすめ
保険の外誘員である主人公恭介は仕事の鬼。社内では優秀な成績を
維持し、妻との生活は豊かなものであったが、いっしょに行くはず
だったのに妻に「行きたくない」と言われ激しく動揺。
恭介は、給与明細を見て一喜一憂した日々や、保険の契約を結ぶ
たびに自分にかかってくる電話が減っていった事実を思い出す。
切ないが、真に迫るものがありおすすめ。
「純情温泉」おすすめ
高校生カップルが、温泉に行くという物語。
健二は、大好きな真希と恋愛にいそしむ。部屋で裸だった健二を
発見した親父は、勘違いして健二を蹴り倒す。
ほのぼのとした高校生カップルの物語。
とりあえず、健二が真希を好きだと思う今の気持ちは本当だ。