2008年01月10日

小説「魔王」伊坂幸太郎


その時歴史が動いた。人々は、犬飼という政治家の煽動によって、
憲法の9条問題や、日本の未来に向けて関心を示すようになる。

パフォーマーであり、若くして魅力的な犬養は、宮沢賢治の詩を
引用し、日本人の心をがっしりとつかんでいく。

社会の大きなうねり(変動)の中で、兄弟たちは戦うことを選んだ。

不気味さの中に、真実味が伴う意欲的な作品。法学部卒の作者の
経験が生かされた作品と言える。約275ページ。

〜魔王〜

若くして、弟(潤也)と二人で生きてきた俺は常に考えて生きてきた。
俺は、最近メディアにおいて注目されている政治家犬養に対して
危惧感を持つようになる。そして、彼によって踊らされる大衆に
対して。

そんな俺は、最近自分が思っていることを他人の口から言わせる
「腹話術」の能力を有することに気付き始める。弟とその彼女と
共にその能力がどの程度のものかを実験してみることにした。

使い方によっては、「魔王」と対決できるかもしれない。

「でたらめでもいいから、自分の考えを信じて、対決していけば、
 世界が変わる」という信念を胸に兄は戦う。

口癖は、「考えろ。考えろ。マクガイバー」



〜呼吸〜

恋人の潤也君は、お兄さんに似ずに勉強ができなかったが、
直感的に優れたものがあるし、時に物事の本質を見抜くことがある。

語り手は、私(詩織)に移行。ある日を境に、潤也君はツキ出した。

具体的に言えば、じゃんけんで常に勝つ。引き分けにすらならない。

私たちは、競馬場に行って「実験」をしてみることにした。

神がかり的とも言えるこの能力を、潤也君が身につけたことには
何かしかの意味があるのかもしれない。

テレビに映る犬養首相を観ながら、私は思う。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 11:46| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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