オレは、桐谷修二(シュウジ)。高2で、いわゆる学園の人気者だ。
人間関係は、広く浅く、つかず離れずをモットーに着ぐるみかぶって
「一目置かれているキャラ」を熱演中。実際のオレは、すごく醒めて
いるし、適度な愛情や友情を装って生きている。今日もオレを演じ
なければ……。みんなが期待するオレを演じなければ……。
完璧と言うわけではないが、はた目には充実してように映っていた
はずのオレの高校生活。でもオレは退屈を持て余していた。
そんなオレのクラスに、信太という転校生(編入生)がやってきた。
教室のみんなからは、「うわぁ」と言う声が聞こえてきそうな外見を
持つ信太=野ブタは、あっという間にクラス中から無視される存在に
なり、嘲笑となんちゃって不良からいじめられる存在になった。
オレは、トイレで殴られていた野ブタを柄にもなく助けたことから
野ブタに頼られるようになり、彼をプロデュースして人気者に
したてあげることにした。
それは、野ブタを助けるためというよりもオレの暇つぶし目的で。
オレは、とりあえず野ブタに「坊主」になることを命じ彼の髪を
ばっさり切らせることにした。中身はともかく、外見が大事という
ことをオレは経験から知っていたからだ。
オレは、野ブタのデビューを華々しく飾ってやろうと彼を演出する。
終始、エンターテイメントに徹した笑わせる文章を書き続けた
特に高校生におすすめの小説。ラストにも妙味がある。180ページ。
3回読んだ作品というのは、珍しい。(安寿)
〜本文より 抜粋の名言〜
言葉は、他人を笑わせたり、楽しませたり、幸せにできるが、
人を悲しませたり、怒らせたり、絶望の淵に落とすこともある。
そして、一度口から出てしまった言葉は撤回できない。
わかっていたはずだった……。