2007年12月24日

感動「フランダースの犬」ウィーダ 訳者村岡花子

小説「フランダースの犬」ウィーダ
約60ページ 新潮文庫 訳者村岡花子氏

過酷な労働を強いられていた犬のパトラッシュ。
(原作ではパトラシエ)は、フランダース生まれ。

衰弱し死にかけていたが、彼に近寄ってきた人たち
がいた。天使のようなネロ少年とおじいさんである。

献身的な看護と、愛情によりパトラシエは息を吹き返す。

清貧を絵に描いたような、二人との出会いによって、

パトラシエの胸に大きな愛が目ざめた。
それは命あるかぎり一度もゆるがなかった。(本文より)

パトラッシュは、貧しい二人の手助けをしようと、
牛乳配達の手綱を、自らの意思で引っ張る。

老人の力では、決して楽ではなかったその仕事は、
パトラッシュのおかげで随分と助けられた。

貧しく寄る辺のない3人は、助け合って生きる。

やがて、年老いたおじいさんに代わって、成長した
ネロ少年と共にパトラッシュは仕事をするようになった。

パトラッシュは、ネロ少年が協会の中で熱心に何かを
見ているのが気になる。犬である自分は教会に入れない。
ネロは、大画家ルーベンスの描くキリストの絵に夢中だ。
 
でもその名画にはおおいがされていて、貧乏なネロには
見られない。(拝観料が必要なので、金持ちしか見られない)
ネロは故に、余計に恋焦がれる。ネロは、絵に魅せられ
ゆくゆくは画家になりたいと考えていた。
 
ネロとパトラッシュには、友達がいた。この地方の名士の
娘であるアロアだ。ネロは、アロアを描いた。それは、
大変優れていた。ネロのアロアに対する想いが垣間見える
ようだ。アロアの父は、この絵を買ってもいいと銅貨を
渡そうとするが、ネロは固辞する。アロアの絵で、お金を
もらいたくなかったからだ。アロアの父は、ネロがアロアと
親しくなるのを警戒するあまり、ネロに対して冷たく接する。

誤解や、偏見によってネロとパトラッシュは村の人々から
冷たい仕打ちを受ける。絶望の中で、ネロは画家になって
見返してみせるとパトラッシュに強く誓う。

立派な画家になれば、みんな幸せになれるはずだ。

王の権力よりも不滅な偉大なもの、それは「未来」だ。(本文より)

その小さな希望と野心を胸に、彼は熱心に絵を描く。

絵のコンクールがあって、偉大な画家たちが審査をする。

その結果次第では、前途に輝くような未来が開かれる…。

しかし結果を見る前に、おじいさんは亡くなる。

因業(いんごう)な家主によって、家を立ち退かなくては
いけなくなったネロとパトラッシュは、思い出の家を出て
寒い道を行く。

そして、運命のクリスマスイブの日。
彼の絵は入選していなかった。

失意の中で、パトラッシュと雪の町を歩くネロは大金を拾う。
それは、アロアの父が落としたものだった。

正直なネロは、アロアの家にそれを届け、パトラッシュを
引き取ってくれることを乞い願い、再び雪の町に飛び出す。

ネロを追いかけようとする、パトラッシュ。しかし、
アロアに引き止められていて、中々彼の後を追えない。

やっとドアが開き、ネロを必死で追いかけるパトラッシュ。

ネロが行く場所は、ルーベンスの絵がかけられている
協会に決まっている。パトラッシュは協会にひた走る。

感動的な名作小説。これは、泣けます。訳者の表現力も巧み。
パトラッシュの視点で、小説が書かれているのが斬新です。

また、小説に留まらず、絵本、アニメ化、映画化されている
作品なので、人によってパトラッシュのイメージは無数に
存在すると思います。余談ですが、生前陽の目をみることが
なかった天才画家は無数にいます。

有名な人では、ゴッホとかがそうです。ネロとパトラッシュの
カリスマ性、人気はやはりその悲劇的な要素に起因する気がします。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 22:33| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめの短編・短編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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