2007年12月07日

世界の名作「変身」フランツ・カフカ

宮的作品世界を構築した作家。難解。約90ページ。

両親と妹を支える一家の担い手であるセールスマンの
グレゴール。ある日、気懸かりな夢から覚めた彼は、
自分が巨大で不気味な毒虫になっていることに気付く。

夢なら覚めてほしいが、どうやら現実のようだ。
その場をしのぎ、ごまかそうとする彼だが、結局家族に
ばれてしまい、まるで腫れ物のように扱われる。

グレゴールは、人間に戻れず、怪物のままだ。
しかし、知識や思考が止まったわけではない。
彼は、自分の意思を伝えようとするのだが、
その容姿のせいでうまくいかない。

その姿に、家族は慣れることがないし、どんどん
厄介な存在であることが明白になっていく。

憂鬱。絶望。
幸せだったはずの家族に、不幸な運命が降りかかる。

グレゴール自身もそうだが、家族も少しずつ疲弊を始める。

ささくれ立っていく心、見えない光明の中で彼らは何を思うのか。


非現実的な悪夢を、リアルに鋭く描いた名作小説。

何が怖いって、グレゴール自身は、平静時と同じように、
思考していますし、圧倒的な無力感に傷ついている点です。

グレゴール自身は、家族のことを思いやる好青年であり、
妹の将来など怪物になってからも真剣に考えているのです。

「伝わらない想いや言葉は、どんなに優れていても無力」です。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 08:55| Comment(0) | TrackBack(1) | 日本の 世界の名作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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