2007年12月03日

小説「偶然の祝福」小川洋子

小説家の私が主人公。短編連作。180ページ。

何の前触れもなく、叔母が失踪した。叔母には変わった趣味が
あった。彼女は、嘔吐袋を集めるのが好きだったのだ。
(失踪者たちの王国)

実の弟の死と、知り合った女性から聞かされたその女性の弟の死。
私は、その女性の話を参考に小説を書き、賞をもらった。(盗作)

私の最大の味方であり、最大の理解者であるお手伝いのキリコさんは、私のなくし物を探す名人だった。彼女のおかげで今の私はある。(キリコさんの失敗)

売れない作家の私にとって、数少ない熱狂的なファンである、
自称「私の弟」の男。影のようにつきまとう男に嫌悪感を覚える
主人公。なぜ、彼はこれほどまでに「弟らしい弟」なのだろうか?
(エーデルワイス)

犬のアポロが病気になった。動物病院に出かけたら聞きなれない
病名を告げられる。そういえば、恋人はアポロの毛を異常に嫌って
いたっけ……。アポロを心配しながら、そんな回想にふける私。
(涙腺水晶結石症)

リコーダー、万年筆、弟、伯母、恋人……。主人公は大切な物を
失くす一方で、アポロ、そして新しい命、息子とかけがえのない
ものも手に入れる。透明感溢れる、素敵な小説。
ラベル:小説 読書
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 15:51| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの短編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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