まっすぐで、純粋で、弟思いの兄思い、そしてモテない、
そんな30過ぎても、一緒に住んでいる癖のある兄弟が主人公。
読書好きで、映画好きで、パズル好き、そしてベイスターズ
ファン……というインドア派の兄弟が思い切って、女性を部屋に
招待する。警戒されながらも、おずおずとやってきた女性たちは、
不思議と居心地のよい空間と、思いやりあふれる兄弟たちに
好感を抱くのだが、恋愛の対象とはならないようで……。
いわゆる外見的には、全くかっこうよくない二人が、支え合って、
それでも前向きにまっすぐ生きていく姿に涙腺が緩みます。
話しのテンポの良さも、間宮兄弟をはじめとした登場人物たちに
魅力があり、文章のよさも秀逸。恋のはじまりと、終わりを描いた
恋愛小説ですが、ラストも含めて納得の内容のイチオシ作品です。
直木賞受賞作「号泣する準備はできていた」よりもおもしろいです。
感動あり、号泣ありの名作長編。