主人公の住む町と、となり町との間で「戦争」が勃発。
目には見えない所で、着々と戦争は行われている。
役所の業務のように、淡々と行われる水面下の戦い。
作戦上の都合から始まった、僕と香西さんの淡々とした「生活」。
僕と香西さんの「戦争」に関しての意識の度合い、
温度差。決して埋められない、大きな隔たり。
徐々に僕の目にも、戦争の傷跡や現実が見えてくる。
確かな形として……。
戦争によって引き起こされる理不尽さ、悲しさ、喪失感を
淡々と描いた透明感のある傑作。190ページ。(ハードカバーで)
芥川賞・直木賞の両方の要素を持った名作小説。
小説すばる新人賞受賞作、直木賞候補作となった三ツ星小説!