兄を名乗る一回りは下の謎の青年が現れた。
あまりにもなれなれしく、当たり前のように兄だと
言い張り、憎めない不思議な存在。
母に聞いてもそんなのいるわけないでしょと笑われる始末。
新手の詐欺かと心配するが、どうも悪意とかで接触してきた
感じがしない。おにいさんは度々現れ、
結婚相手の和菓子屋にも現れる。
軽く憎まれ口を叩くがあまりにも邪気がない。
結婚相手の山田さんも胸襟を開きおにいさんと呼び、
その存在に疑問を抱かない。
もはや生活の一部と化し溶け込んでいくおにいさん。
どこかなつかしさを感じるおにいさんにさくらは
記憶を思い出していき…。
まごころあふれるハートフルストーリー。
日常に疲れた人におすすめの一冊。集英社文庫