人々の秘密を握り影のように暗躍する影男。
人の表の顔と裏の顔を探求する影男は、
めだたない影のような存在となり恋人や部下も
動員して権力者の急所を握り大金を脅し取る。
犯罪小説家という顔を持つ彼は、実際に自分が
行った犯罪を作品で発表するという
大胆不敵な行為をし、それを愉しんですらいる。
しかし根っからの悪党ではないので、きまぐれで
困っている人間を助けたりと義賊的性格も併せ持つ。
その類い稀な頭脳は本当の悪党に目をつけられる。
殺人請負会社を営む須原は影男に接触。
ターゲットを奇抜な方法で殺したいので
その方法を伝授してほしいと影男に依頼した。
幻想的な世界を構築し、ルパン的主人公影男が
暗躍する物語に引き込まれる。作者が述べるように
思いつきと二番煎じ(過去の作品との)、
後半の構成にやや難があるが十分楽しめた。