2019年04月12日

小説『通天閣』西加奈子

大阪ミナミの街で蠢く個性的でアクの強い
キャラクターたちが織りなす人間劇場をコミカルに描く。

不満ばかりの主人公俺の日常は、
変なオカマから熱い視線を浴びたり、
謎のジジイの行動に首をかしげたり、
しょうもない工場で黙々と作業をこなす日々。
行きつけの店大将で塩焼きそばばかり食しているが、
昔はコンビニのいなりそばセットばかり食べている。
これはグルメなのか、単なる偏食家なのか。

もう一人の主人公の女の子の日常はしんどい。
ニューヨークに行けば夢が叶うと思い込んでいる
愚かな彼氏マメを健気に待っているが、
けったいな人ばかりのぼったくりスナックで
心を痛めながらチーフとして働いている。
こんな悲惨な境遇に身を置くことで恋人が心配し
帰ってくることを願掛けしているのかもしれない。

下品であけすけだけど、印象に残るフレーズも多く
二人の主人公の物語がリンクする箇所や
店で働くママのセリフが好印象な作品である。
ちくま文庫
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 07:45| Comment(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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