2017年08月12日

小説『花のさくら通り』荻原浩

経営悪化に伴い都心部から離れることになった
ユニバーサル広告社は移転も自分たちで行い、
経費を賄うことにした。石井社長の決断に
三人の社員は不満たらたら。通勤時間もひどいことに。
民家のようなオフィスでの仕事はブレーカーが
簡単に飛んでしまい、都落ちしたことを実感させる。

さて彼らがやってきた本来の意味でヤバいさくら通り商店街。
シャッター商店街10選に挙げられる経営不振に陥っていた。
店主たちはこの状況を直視したくなくて、
ただただ威張っていたい長の磯村は会議のたびに
古い因習に従い、若手店主の意見をはね返す。
6月に行われる「さくら祭り」の頃には桜が咲いていないし、
そもそも害虫問題の解決策として桜を切ってしまっていた。
名ばかりのさくら祭りは毎年盛り上がるわけもなく、
係の癒着もあり形骸化した催しに成り下がっていた。

脱サラし和菓子店で家族と共に働く無口な男守は
ユニバーサル広告社に仕事を依頼。
12万円という破格の値段で仕事を引き受けた杉山は
愉快な社員たちと共に商店街を活性化させようと尽力。
しかし、一国一城の主として土地に根差しがんばってきた
面々は新参者である杉山たちを信用していない。
新旧、年代も異なる店主たちを相手に苦戦を強いられ、
半ば意地もあり奮闘する杉山たちは奇策を打ち出した。
この土地で彼らは受け入れてもらえるのか?

離婚し、愛娘早苗と離れて暮らすことになった杉山。
元妻が再婚したこともあり娘から届く手紙に喜ぶが
返事を書くかどうか逡巡し葛藤する。
娘や元妻、再婚相手の気持ちを考えた結果、
クラウチ君という謎の人物からの手紙を送ることにした。
父の想いは、娘に届くのか?
シリーズ第3弾。集英社文庫
ラベル:荻原浩
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 06:19| Comment(0) | おすすめの長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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