2017年06月21日

小説『穴』原宏一

富士樹海に死ぬためにやってきた男はロクじいと
名乗る仙人のような男と出会う。素直な男は
説き伏せられてしまい、同居して生きることに。
カズヒロという他人の名前を拝借し、洞穴の中で
縄文時代のような狩猟採集生活を営んでいたら、
不思議と楽しい。生きている感覚を肌で実感する。

そして新たな住人が。政治家秘書をしていた男は
裏切りに遭い、いけにえとして罪をすべて被せられ、
地検や刺客から逃亡を図っていた。疑心暗鬼に
かられる男はコタニと名乗る。
警戒心を持ちながらロクじいとカズヒロに接する。

温泉で出会った女はタツコと名乗り、いっしょに
生活を送ることになった。したたかで、男を利用
することで生き延びてきたタツコは平気で人を
裏切る峰不二子のような悪女。
カズヒロと親しくなったタツコは彼から綺麗な石を
プレゼントされる。妙に博識なロクじいから
モリブデンと言われるレアメタルだと教えられる。
もし鉱脈だとしたら莫大な富を得られるかも…
欲にかられたタツコによりサバイバル生活に
亀裂が生まれ、各自の思惑が交差する…。

不思議な老人ロクじい、素直で単純なカズヒロ、
計算高いクスブリコタニ、きままな女王様タツコ。
彼らがそれぞれめざし、掲げた理想郷、国とは?
現代の穴に落ち込み、竪穴式洞窟での生活の彼らが
思い描いた青写真とは? 実業之日本社
ラベル:原宏一 おすすめ
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 07:33| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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