余儀なくされている。元々大衆演劇の役者であった父、
彼のファンだった母。兄、姉、そして僕。姉の子6人の
花菱家はけったいな仕事をしていた。
レンタル家族派遣業である。リクエストされた家族として
3時間数万円などの報酬を得ることで生活をしていた。
安定しない仕事なので家計は火の車であり、
ケンカは絶えず、借金取りから逃げる日々…。
それなのにあまり悲壮感が漂わないのは、
語り手であることが多いお調子者の僕の存在が大きい。
父に振り回される日々にいい加減うんざりした兄は
自立をめざし、姉は家を飛び出し夢を追いかける。
そして僕や母は…。笑いあり、涙ありの珍道中は
大団円を迎えるのか?双葉文庫
ラベル:荻原浩