2017年05月13日

小説『円卓』西加奈子

三つ子の姉を含む8人家族と暮らすこっこ。
孤独にあこがれ、フツーとは違う自分を気取り
こじらせてしまっている変わり者の小学三年生。
家族すらもバカにしながら、やはり変わり者である
祖父石太とだけは認め合う存在だ。
家族から深い愛情を受けながら…、困ったものだ。
家族は中華料理屋にある自動式円卓で食事をしながら
楽しい時間をすごしていたが、自分の世界に入り込む
こっこはうわの空で別のことを考えていた。
ああ、みんなの注目を集めたいものだ。

賢い同級生ぽっさん、朴、おませなセルゲイ、
大人びた香田めぐみさんらと共にすごすこっこ。
日々新鮮な驚きを感じ、自分が認める一部の者以外の
平凡ぶりに不満を覚え、心の中で、口に出して罵倒する。
しかし自分が考えているほど賢くないので
ぼっさんからの忠告を忘れ、暴走し失敗してしまう。
子供なりの万能感、全能感で好き勝手に振る舞える
ある種の黄金時代だった。

だが、ねずみ男との出会い、
新しい家族(命)の誕生、
同級生の奇矯な振る舞いを目撃し、悩むことに。
自分の価値観と他人や世間の価値観の違いに
とまどうこっこ。親友ぽっさん、祖父石太と共に
自らの言葉にできない想いをひも解いていく。
キャラクターたちに覚えるいとしさ。
あふれ出す文才とユーモア。文春文庫。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 08:03| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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