2017年02月25日

小説『かなたの子』角田光代

自分たちが興じた遊びの過失により同級生を殺して
しまったこどもたちは成長し、同窓会で顔を合わせる。
40歳を過ぎて毎年顔を出すメンツは決まっている。
ある種の共犯じみた集い。暗闇に閉じ込めてしまった
かつてのともを思い出すとき自分たちも暗闇の中に…。
『同窓会』

決してでしゃばらないが無表情な妻と暮らす家には
不気味な黒い梯子がかかっていた。ある日、夫は
自分の家に黒い複数の人影が入っていくのを目撃し…。
『黒い梯子』

記憶があいまいになるほど年を重ねた老婆。
30歳になる孫が結婚するという。
まだ中学生だと思っていたのにとうろたえる。
老婆は幼少期から他の者には見えない者を見ていた。
それは生まれてこなかった双子のかたわれ。
特に何をするわけでもなく物言わず自分を見てくる。
きっと生きている自分のことを恨んでいるのだ。
『わたしとわたしではない女』

生まれてこなかった子はどうなるのか?
8ヵ月もお腹の中にいた子をなかったことに
などできるわけがない。如月となづけたかなたの子を
愛で続けた文江は「くけど」に行けばわが子に会えると
聞いてかの地を訪れる。心揺さぶられる作品。
『かなたの子』

など8編を収録した短編集。怖くてせつない。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 07:23| Comment(0) | TrackBack(0) | ホラー・怪談小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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