2017年02月12日

小説『羆嵐 くまあらし』吉村昭

大正4年北海道。巨大なヒグマにより壊滅的な被害を
受けた集落に、百人規模の警察隊が投入された。
しかしそれをあざ笑うように、ヒグマは人を喰い漁り、
恐怖は人々に伝播し、悪夢のような日々が続く。
冬眠するための穴を見つけられなかったヒグマは
特に狂暴になり、人を襲うという。
100貫(370キロ)クラスの巨体を持った
肉食獣の猛威は止まらない。
悲しみに暮れる被害者家族、そして自分たちがエサになる恐怖に
怯える人々。その恐ろしさは警察官たちとて例外ではない。
死神は今すぐそこに忍び寄っているかもしれない。
この地獄のような状況の中、
100頭以上のヒグマ(羆)をしとめた伝説のマタギ銀四郎に
白羽の矢が立つ。妻に逃げられ、子を失ったこの男は
手に負えない酒乱であり留置場に3度も捕まった問題人物。
できたら関わりたくないと敬遠され、疎まれた存在。
高額報酬こそ約束したものの、来てくれるかどうかわからないが…。
美しい自然の描写、その土地に生き根を下ろすことの意味。
過酷すぎる自然環境と圧倒的存在感を放つ大型肉食獣に
翻弄される人々の悲嘆、スリリングな展開は
実際におこった事件をもとにしたドキュメンタリー。
新潮文庫
ラベル:小説 おすすめ
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 08:17| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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