2016年09月03日

小説『サラバ!』西加奈子

個性的な家族に振り回される受動的な主人公歩は
異国の地で親友ヤコブと出会う。たくさんの意味が
こめられた「サラバ!」という言葉、出会い。そして別れ。
日本にやってきた歩は再び心許せる友を得るが…。
しあわせを享受しながら決して満たされない人間の苦悩、
自然災害、そして人との営みの中で発生する悲喜交々の日々。
その名が示す通り歩は、自らの足で前に進みだせるのか。
感情揺さぶられる圷(あくつ)家の物語に笑いと涙が誘われる
傑作の直木賞受賞作。

両親の都合からイラン、日本、エジプト、日本と生活の拠点を
変えられる羽目になった僕。社会適応力と受け身体制、優れた容姿で
どこで暮らしても場に溶け込み、居場所を作り幸せを享受した。
反面、かまってちゃん体質の姉は、狂人的振る舞いを繰り返す。
巻貝とごく一部の理解者の庇護の下、浮き沈みの激しい日々を送る。
そんな僕たちの父は、まさに忍耐の人であり求道者的性格。
母はぜいたくで自由奔放、自分の幸せを追求する人だった。
我が強く、折れない個性的な母と姉は衝突を繰り返し、
嵐が過ぎるの待つように、結局何も言わずやりすごす僕。
そんな日々の中でも、生活を拠点とする異国では素敵な人との
出会いもあった。僕たちは家族として、そこに住む者として
豊かな日々を送っていた。しかし、一枚の手紙により暗雲が立ち込め…。

順風満帆な僕の生活だったが、他者の犠牲の上に成り立つものであった。
三十路を迎えた僕は、今まで人々の善意に甘え、逃げてきた様々な問題、
そしてその清算を求められるときがきた。
人と違うことから受難の日々を送り、そのたび傷ついてきた姉は
自分なりの幸せを見つけ、歩に助言する。
家族や人、過去と向き合うべきだと気付いた歩には会いたい人がいた。
小学館 上・下巻
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 08:13| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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