2016年07月11日

小説『オーダーメイド殺人クラブ』辻村深月

中2のリア充小林アンは昆虫系とさげすむ徳川の
奇行を目撃し、彼に自分を殺してほしいと依頼した。
どうせなら今まで誰もしたことがないような事件となり
長く語り継がれ、その後の少年A少女Aにとって
バイブルのような存在になりたい。
繊細だが面倒、自覚なく他人を傷つけ、見下す。
自分の痛みには敏感でも他者の痛みには鈍感。
中二病のアンは死や猟奇的なものにあこがれを持つ。
そういったニュースや本を探す日々を送るがそれを隠し
「普通」のリア充として振る舞い生きていた。
クラスでも上位グループに位置し、恋人もいたことがある。
そんな彼女にとって、下位に位置付けている徳川は
ただ席が隣なだけの存在だったのだが。

アンは河川敷で徳川を目撃する。
ビニール袋に入れられた何かをけり続ける姿には
猟奇的で危険なものを感じた。

徳川は勉強ができるわけではないが、絵がめちゃくちゃうまい。
彼の描く絵は暗くて、アンのお気に入りである。
多くの者が敬遠しそうな題材、内容ではあったが。

副担任に端を発した面倒ごとを徳川によって助けられた
形になったアンはなめてかかっていた徳川に注目。
猟奇的なこと、そういった類のエピソードや写真集などにも
非常に詳しい徳川に時期がきたら自分を殺してほしいと依頼。
「事件」を自演しようと目論む二人は、こっそり会い
着々と準備を進めるのだが。

ちょっとしたことがきっかけで変わってしまう
学園ヒエラルキーの勢力図。友達との関係。
逃れられない親との関係。崩れそうで頼りない未来を
必死に走り抜け、彼らは「事件」を成就できるのか。
集英社文庫
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 07:43| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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