2015年11月23日

小説『64 ロクヨン』横山秀夫

64(ロクヨン)。D県警管内で昭和64年に起こった
忌まわしい児童誘拐殺人事件のことである。
14年経った今も犯人は捕まっていない…。

広報官として働く三上は、家庭でも問題を抱えていた。
自分にそっくりの愛娘が家出。彼女は容姿に自信が持てず
整形したいといった娘を思わず殴ってしまい、
最悪の結果でわかれることになった。
皮肉なことに絶世の美女である妻美那子は娘の身を心配し
ふさぎこみがち。
三上は上司に頭を下げ家出人捜索を依頼。
卑劣な上司は「恩」を盾に三上をいたぶりコントロール。
自覚のない悪党は性質が悪い。
美那子は娘からの連絡があるかもしれないと家から出ない。
そして、かかってきた無言電話に娘の安否を重ねる。

三上が円滑に関係を築いていた地元の記者クラブとの関係は
自動車事故を起こした加害者の「匿名」をめぐり崩壊。
上司に相談しても、頑なに明かすなと一点張り。怪しい…。
その後も広報官仲間3人と共に、
上からの命令によって常に厳しい選択を迫られることに。
そんな中、D県警のもので知らぬものはいないと言われる
ロクヨンの問題が再浮上する。警察のトップである長官が
時効間際のこの事件を視察にやってくるのだという。
単なるアピールプレーにしか思えない。
その際に被害者の父雨宮に直接事件解決を誓うので
セッティングするように命じられる。
雨宮にそのことを打診した三上であったが断られる。

64には数多くの隠された秘密がある。
かつての因縁の相手二渡や多くの登場人物たちが謎の行動を
取る中で三上の前に次々と難題が降りかかる。
与えられていない情報が多すぎる。
三上は事件関係者や、かつてのOBなどを訪問し
現状伏せられている事案や64事件の全容解明に乗り出す。

64によって家族を失った者。64によって心を失った者。
今でも64を追う者。そして、64の真相に迫る者。
猛者たちの咆哮。最高峰ミステリーの名手の究極警察小説。
文春文庫 上・下巻
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 11:38| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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