富樫修は小学六年生でありながら妙に大人びた雄介が
世間をにぎわせる残虐な事件と関わりがあると疑う。
息子を信じたい。だが調べれば調べるほど、
不都合な真実が見えてきてしまう。
身近に被害者がいても、それが実の子供でなければ
どこか他人事として捉えていた主人公であった。
自分の子供が殺人犯の毒牙にかかるとも思えない。
冷血漢と言われようと、楽観的と思われようと
わが身にふりかかなければそんなものかもしれない。
だがよりにもよって自分のこどもが犯人だなんて。
しあわせな家庭はみせかけの虚像だったのか?
ほころびはいつからはじまっていたのか?
警察の捜査はどこまで進んでいるのか?
絶望的な状況に対する打開策は?
事件が発覚したら、一体どんな事態に陥るのか?
そこに希望はあるのか?