救急車が患者を乗せて走る。しかし、なぜか病院への
搬送を避けるかのような指示が飛ぶ。緊迫の車内。
患者は救急隊員たちと知り合いであった。
そして、電話先の相手医者とも。
客観的に恨まれて当然の相手という特段の事情があった。
【傍聞き】
なぜ心を通わせることができないのか。
女性刑事は娘の行動に悩んでいた。
どんなにがんばっても理解されない。
そんな仕事もあるかもしれない。
だからと言って手は抜けないじゃない。
主人公が娘の意図に気付くとき爽やかな風が吹く。
【899】
想いを寄せる女性の自宅が火事になった。
屋内には赤ん坊が取り残されているという。
煙が充満する屋内に救出に向かう男たち。
だが赤ん坊は見つからない。
焦る主人公だったが、悼みを抱える同僚が
赤ん坊を助けだし事なきを得た。だがしかし…
【迷い箱】
捨てようか迷ったら一旦この迷い箱に入れればいい。
受刑者たちを見守る結子は、過失によって子供を
殺してしまった碓井が自殺しないか危惧していた。
双葉文庫。珠玉の短編集。