夷川家が火花を散らす。
かつて大天狗と恐れられていたが、弟子の弁天に
骨抜きにされた赤玉先生も巻き込んで大騒動。
笑いあり、涙ありの毛玉ファンタジー。
父は偉大だった。狸の大親分であった。
残念ながら狸鍋にされ喰われてしまった。
彼には4人の息子があった。
まじめ、のんき、阿呆、気弱の4人は残念な
息子たちと言われたが母は笑い飛ばした。
息子たちを信じていたからだ。母もまた偉大だった。
新たな狸の大親分を決めようと下鴨家は長男が
夷川家は家長がそれぞれ名乗りを上げた。
親戚でありながら、過去の因縁から仲の悪い両家。
特に夷川家は何かと底意地の悪い態度をとる。
阿呆の三男矢三郎と夷川家の娘は許嫁でありながら
夷川家によって一方的に結婚を破談された。
しかし矢三郎はそのことを気にしていない。
実力伯仲と言われる大親分の取り決めとなると
ヨゴレの夷川家が何もしないわけがない。
下鴨家が大ピンチに陥る。幻冬舎文庫