2015年05月17日

小説『八月の魔法使い』石持浅海

お盆に行われる役員会議は緩い内容になるはずだった。
しかし、「工場事故報告書」が資料に紛れ込んでいた。
そんな報告は受けていないと常務は叫ぶが
工場事故を把握していなければそれはそれで大問題だ。
未来の社長(副社長)の座を狙う役員同士は
これを好機と捉え、責任追及に紛糾する。
社長が参加するこの会議での失敗・失態は
会社での失脚を意味する。
会議をプレゼンしていた平社員美雪は
こんな資料なかったはずと首を傾げ、
上司である大木課長の仕業だと気付く。
最悪自分も責任問題に発展するかもしれない。
美雪は職場の恋人小林拓真にSOSを送る。

その頃小林も異常事態を察知していた。
万年ヒラ係長であり、部下からもナメられている
松本係長が嫌われ者の部長に何かをつきつけていた。
顔色が悪くなる部長。妙に迫力がある係長が
持っていた資料を見る羽目になった小林が見たものは。
「工場事故報告書」の表紙であった。
あってはいけないものを見てしまった。
この事故は確実に報告されていない危険な代物だ。
これは危ない。さわらぬ神にたたりなし。
だが小林は結局この最悪の案件に立ち向かうことになる。

かつて会社の方針を決め、魔法使いのように采配を振るった
伝説の松本係長を論破しなければならない。
小林が奮起する中、役員会議では出世争いに目がくらんだ
者たちによって醜い争いが展開される。
なぜ松本係長と大木課長はこんな自爆テロ的行為に
走ったのか。そこには語るも涙の謎があった。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 08:14| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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