2008年10月06日

小説「白夜行」東野圭吾




権謀術数、裏切り、見えない絆、暗躍する影……

殺人事件の被害者の息子桐原亮司と容疑者の娘西本雪穂の

壮大で物悲しい白夜行は次々の不幸を巻き起こす。

基本的に物語りは暗く、ハードな内容を含む。850ページ。


1973年、大阪の廃墟ビルで質屋を営む桐原亮司の父が殺された。

質屋であり、評判のよくない男でもあったため、容疑者は次々と

浮かび上がっていった。西本雪穂の母もそのひとり。

事故死か、自殺か、殺人か不確かなまま事件は迷宮入りした。


物語はその後の、桐原亮司と西本雪穂のそれぞれの「成長」を描く。

彼らの近くでは、次々と事件が巻き起こり、そこにはお互いの影が

見え隠れするのだが、不気味なベールに包まれたまま証拠はない。

誰も信じない陰気で影の多い少年と、貴族然とした薄幸の美少女の

瞳に映る未来は?


物語は、「オイルショック」「V9ナイン」「阪神優勝」

「インベーダーブーム」「マリオブーム」「宮崎勤事件」

などの歴史的事件も扱って、19年という大きな舞台を描いた傑作。

暗い魅力に溢れた作品であり、ダーティーな二人の主人公がなぜ

人々の魂を掌握・翻弄することに長け、また魅了するのか?

絶望の淵から這い上がろうとする魂の叫びを感じる作品。


桐原亮司

金に汚い。それは「金」の力を知るゆえ。

謎の多い秘密主義の男で、コンピュータの知識や犯罪にも積極的に

関わる。コンプレックスを抱えている。権謀術数に長けている。

「俺の人生は、白夜の中を歩いているようなものやからな」

西本雪穂

はっとするような美貌の持ち主。黒い薔薇、フランス人形などに

喩えられるが、それは酷薄なイメージとも繋がる。

高い演技力と向上心の塊であり、人々を掌で転がす悪女。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 19:32| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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