2008年07月17日

名作「大誘拐」天藤真




身代金は100億円。日本のみならず、世界中が注目の大活劇。



和歌山県の山林王柳川とし(とし子)は、日本屈指の大富豪であり、

長年福祉事業に携わってきた功績もあり、「神様」として

人々から慕われていた。

ちなみに、所有する山林などの土地は4万ヘクタールであり、

時価総額は700億円超という途方もない金持ちである。

彼女は最近、小間使い役の紀美と共に、この途方もない山道を

毎日のように横断していた。


そんな折、元スリ師の健次が出所した。みなしごだった彼は、

施設でとし子と会ったことがあり、彼女の誘拐を目論む。

刑務所で知り合った正義、平太と共にとし子を誘拐し、

身代金5000万円を手に入れようと画策、準備を整えて努力?の甲斐

あって、とし子を誘拐することに成功した。


自らの計画をとし子に披露した健次だったが、身代金が5000万円と

いうことを知ったとし子は大激怒。100億円にしろと言い出す。

健次たちは困惑しながらも、とし子の言い分を聞きながら、

「犯行」を行っていくのだが、なぜかとし子が犯行の手助けや

その類稀なる頭脳を駆使して、あれこれと三人に指図してくる。

主客転倒のこの大誘拐計画は、果たして成功するのか?


また、とし子を大恩人として尊敬やまない県警本部長井狩は、

三人組「虹の童子」を捕まえてとし子を救出せんと血脈をあげて

この大捜索に乗り出す。



飄々とした登場人物たちのキャラクターと、血なまぐさいシーンが

ない安心して楽しめる傑作小説である。アイディアもすばらしいが、

筆致も確かであり、存分に楽しめる内容。誘拐犯(実質とし)と

捜査本部の心理戦・頭脳戦もおもしろく、引き込まれる。


30年前の作品であり、時代背景などわかりづらい点もあるが、

「名作は色あせない」の言葉通りさして気にならない。

文句なくおすすめ。435ページ。


作中名言

「子が母のために尽くすは当然のことや」
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 07:23| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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