2020年07月29日

【名著 名言集・迷言集U】

人に頼まれたことを叶えてあげたいという気持ちは、
大切なものよ。それを持っているあなたは優しい。
でも、田上さんの願いは異常だった。
人の善意に付け込もうといたとさえ言っていいと思う。
そんな言葉に、いつまでも囚われていてはいけない。
忘れなさい。忘れるしかないのよ。

目とは人が見たいと思っているのを見るための器官なのです。
錯覚にまみれ、そこにあるものを映さない。それは決して、
目という器官の物理的限界によるものではありません。
見たくないものをカットし、見たいように見る

『真実の10メートル手前』米澤穂信

チャンスの女神の後頭部はツルッ禿げである。
後ろから掴もうと思っても、もう遅い。
見つけた時が即、買い時なのである。

「蒐集の鬼」山口雅也

今から新しい世界に一歩踏み出す者。
そして、依然としてそこに留まる者。
両者の間に、共通の時間の流れはない。

どんな仕事でも、真面目に取り組んでさえいれば、
やがては自分だけの何かが見えてくるものだ。

『張り込み姫 君たちに明日はない3』垣根涼介

個人のプライドというのは、
仕事のおける誇りというのは、
意識的にも実質的にも、その基盤が盤石であってこそ
強固に持ち続けられる。

自分の人生がどう転んでも、言い訳をしない。
泣き言を言わない。家族にも、むろん他人にも。
たとえ痩せ我慢でも、です。つまりは、潔さ

将来は、確かに大事だ。でも、だからと言って、
その将来のために今のすべてを犠牲にするなんて、
馬鹿げている。
何故なら、どんな年齢になっても、死ぬ寸前まで
常に将来はあるからだ。

『君たちに明日はない4 永遠のディーバ』垣根涼介

世間の常識に沿った意見しか持っていない者、
自分の存在や考え方を疑ったことがない者には、
進歩がない。変化もない。自分の正しさを、
そして自分の常識を常に疑い続ける者だけが、
人間的に成長し続けることが出来るのではないか。

世の中は変わっていくものでしょ?
いくら自分が現状のままで居たいと思っても、
その世間との兼ね合いを含めて、どうしても状況は変わっていく
だからむしろ、その事実を受け止めて今を生きるしかない

『君たちに明日はない5 迷子の王様』垣根涼介

力があるところには、必ず間違いや驕りが存在する。
戒めのためにも、能力をより慎重に使うためにも、
いい特性だと考えていますよ。今にわかるようになります。
それがどれだけ大切で、心休まることか

彼女のことが好きなら、やらなければダメです。
事件の犯人や、その後の騒いだ人たちが彼女を消費したことが
許せないなら、生きてそこにいる彼女を知っているあなたが
それをやらなくて、どうするんですか

どうしようもない悪というものは、いつまでも悪のままです。
あきらめて、割り切れることができないなら、
罰を与えたいなんて思うべきではありません。

わかりあえない者同士は、無理に一緒にいる必要はない。
関わらず、住み分ける以外に道はありません。
正しいとか正しくないというのは、それを話すのが
人間同士である以上、簡単に変化していくんです。
これが何という正解はない。けれど、そんな中で
どうすることが自分の心に一番恥じないのか。
何を一番いいと信じるのか。それだけはきちんと
胸に置いておく必要があります。

『ぼくのメジャースプーン』辻村深月

もう夏が終わるなぁ
どうせなら秋が始まるって言えよ
なるほど、何かが終わると言うよりは、
新しい何かが始まると言う方が、ずっといい。

『銀河に口笛』朱川湊人

人間はな、口に出したことはやらなあかんねん。
絶対にやるって言うたことをハンパに放り出すのんは、
カッコ悪いことやで。

『オルゴォル』朱川湊人

あのハーバードのばかったれ小僧が作った
あらゆるトラブルの種、フェイスブックのおかげ

あなたのことが好きみたい
もはや母の意識の中に、自分が生み育てた息子がいないのは
淋しいことだった。(中略)遠からず訪れる永遠の別れの
その先にも、自分は何度も母の言葉を思い出すだろう。
いつも、何度出会いなおしても、母が好いてくれた
という確かさに、自分はきっと勇気づけられるだろう。

『長いお別れ』中島京子
ラベル:小説 名言
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2020年07月22日

小説『そして誰かいなくなった』夏樹静子

豪華クルーザー「インディアナ号」に招待された乗客
5人と船長、船員は出港の旅に出かけた。
不気味な巨大黒猫も登場し、不吉な未来を暗示させる。

鼻持ちならないわがままな令嬢の私が語り手。

ここにいる者たちはすべて誰かを直接的、間接的に
殺している殺人者である。裁判官を名乗る謎の人物に
よって流れる不気味な声による罪の告発。

動揺する人々は、船内に置いてあった本を連想する。
1億部の名作推理小説『そして誰もいなくなった』。
そしてあの小説のように予告殺人が起こり
登場人物たちの十二支を模した動物たちが消えていく。
誰が犯人かわからない状況の中で
私は過去の「事件」を回想していき、今まで直面しよう
としなかった罪悪感を覚えていく。

次々とトラブルが発生し、着陸できない。
逃げ場がない船上で動き回れる者は減っていき、
残った者たちは「犯人は誰だ?」疑心暗鬼にかられる。
精神的にどんどん追い詰められていく。
【裁判官】(犯人)の目的とは?
本家の名作と比べても甲乙つけがたい傑作推理小説。
講談社文庫

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2020年07月09日

小説『人格転移の殺人』西澤保彦

人格転移(つまり精神・人格が入れ替わる)
不思議な施設を擁するアメリカのとある研究所。
宇宙人(神)のいたずらなのか?それとも
ハイパーテクノロジーはプレゼントなのか?
2人以上の人間が施設に入ることで発生する
「マスカレード」といわれるこの現象には
ある法則性があるのだが、超越した科学には
多大なる危険がつきもの。一度その現象、
輪の中に入ってしまうと、不定期で肉体と
人格が入れ替わってしまう。禁じ手的な手段として
自分以外を殺してしまい、入れ替わる対象をなくす
ことがある。あぁ恐ろしい。施設内では
不幸な事故が発生し、研究者同士が入れ替わった。

それから歳月が流れて。
ファストフード店の店員、客たちが集まるが
基本的に気が合わないらしく小競り合いがはじまる。
そんな折、大地震が発生した。
店には謎のシェルターと思しき施設があり
彼らはそこに命からがら逃げ込んだ。
しかし、その施設とは前述した例の施設だった。
かくして、彼(彼女)らの中で人格が入れ替わった。

助けられた被災者達は自分たちの姿に大混乱。
なにしろ自分の精神はそのままで別の肉体を有し、
別の人格を持った自分の姿を見たのだから。
こんな不条理なことはないではないか。

自分たちは世間的には事故で亡くなったことにされており、
ここにいる6人で今後の身の振り方を近日中に
決めてほしいとCIA職員から言われてしまう。
もし国籍通りに世界中に散らばってしまったら
何かと不便だし、性別が変わることもある。
まぁ近場に住む方がいいでしょうというありがたい
助言を受ける。あぁなんてこった。

被災によって、日本語だからわからないだろうと
店や居合わせた人間をボロクソ言っていた日本人留学生が
命を落としていた。事故死したとCIAから説明があったが
殺人だったのではないか?という疑問が生まれる。
ある証言も飛び出し、疑惑は高まるばかり。
そんな中、新たな殺人が発生し…。

全体を通すとすばらしい内容だが、序章がとにかく厄介だ。
人格転移という不思議な現象を説明する箇所がとっつきにくく、
難解な観念論的な話も出て、くじけそうになるが、
その後はグッと読みやすくなる。

日本の受験戦争に破れ、仕方なくアメリカに留学し
なしくずし的にアメリカ文化に溶け込む。
コネで大企業に入った33歳の僕は、アメリカに
駆けつけるが恋人に手痛いフラれ方をし傷心。
映画を観てヘンテコなファストフード店に入ったら、
日本オタクともだちの影響で日本語を多少解する黒人の店員
ボビイと会話を弾ませる。そこにハリウッド女優をめざす
見目麗しいが高慢なジャクリーン、
厚かましく下品な中年男性や
初デートに訪れたカップルなどが現れる。
大地震後、カップルの片割れアヤが死亡。
地震のどさくさに乗じ、殺人事件が行われた?
人格が入れ替わった僕たちはそんな理不尽で不安なギリギリの
精神状態の中ですごしていたがマスカレード(人格転移)は
容赦なくやってくる。
そして、減っていく人々…。犯人は誰なのか?
というスリリングな展開となっていく。
SF要素が取り入れられた斬新なミステリー。講談社文庫
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2020年07月02日

小説『銀河に口笛』朱川湊人

昭和40年代、小学3年生の僕たちは不思議な力やアイテム、
浮世離れした家に住むリンダをともだちになった。
「ウルトラマリン隊」のメンバーは、多分宇宙人と思われる
彫刻顔のリンダを仲間に加え、人助けをはじめた。

性同一性障害に悩む美少年ミハルもメンバーに加わり、
こどもたちから寄せられる依頼を引き受けていく。
過去を追想していく僕らの思い出は温かくて愛しい。
成長を遂げる僕らだったが、別れは突然訪れた。

個性的な仲間たちがそれぞれを尊重した結果、
うまくいくこともうまくいかないこともある。
遭遇した事件を解決する達成感、
もっと自分にできたことはないのかという反省や後悔、
他社に対する思いやり、前に歩いていくという意思、
大人になり、病気と直面した僕の前に現れたのは
昔と変わらぬ親友の姿だった。

少年の日の美しい思い出は色あせない。
みんなで吹いた口笛の音色。宇宙を超えた友情。
やはり朱川先生はUMA的な話に秀逸な作品が多い。
角川文庫
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 07:21| Comment(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする