2020年06月25日

小説『神様ゲーム』麻耶雄嵩

自称神様鈴木君により真実は浮き彫りに。
新感覚ミステリー。

連続猫殺害事件が発生し、少年探偵団の僕は
メンバー計5人と共に秘密基地で推理に花を咲かす。
そんな僕は引っ越してきた鈴木君と話すようになる。
自分は神様と言い出し、何でも知っていると豪語する
鈴木君は猫殺しの犯人も知っているらしく、
具体的な名前を口にする。

自分の両親は違う人、誕生日も違う、
そして発生した殺人事件の犯人も知っている。
それは推理ではなく、真実であると断言する鈴木君。
自称神様は世界中どこにでもいっぱいあふれているが
この物語の中の神様はどうもホンモノのようで…。

「真実」に近づいていくこと、本当のことを知ったり
隠されていた秘密が暴かれていくのは必ずしも幸せに
直結しない。理不尽で無慈悲な物語に、
やるせない気持ちになるイヤミス要素が強い。
しかし構成力や伏線の張り方は見事で読みやすい。
鈴木君に天誅をお願いする僕の正義感は
どんな結末を迎えるのか。講談社文庫 約200ページ
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2020年06月18日

小説『ぼくのメジャースプーン』辻村深月

大切にしていた人が心を失った。
彼女の心を取り戻したい。
犯人は絶対に許せない。
小学生の僕は「洗脳」とも言える超能力を持ち、
数少ない能力者である先生と会話を重ねていく。
これは僕の戦いだ。誰にも止められない。

親同士が仲がよかったこともあり、僕は同級生の
ふみちゃんと知り合う。大人びていて、読書家で
そして誰よりもやさしい心を持ったふみちゃん。
彼女の力になりたいという思いが通じたのか。
特別な力が発動したのだが、母はこの力を危惧し
絶対に使ってはいけないと釘を刺した。

うさぎが大好きなふみちゃんは、犯人の悪意により
心を失ってしまい、学校に来なくなってしまう。
毎日必死になって彼女に呼びかける主人公の僕。
しかし自分の無力さを痛感する。僕はあの力を使い、
犯人の罪に対し罰を与えようと考えた。同じ力を持ち、
相談相手になってくれた先生に諭される僕。

正義感、罪悪感、矜持…こどもだからこそ持つ純粋さから
突き進む主人公、そして物語のヒロインふみちゃんも
きっと心の中で戦っているんだろうな。
本来出会わなくていいはずの「悪意」に遭遇したり、
被害者になってしまったとき、人はどうやって折り合いを
つけたり、それを乗り越えていくのか。講談社文庫
ラベル:小説 辻村深月
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 13:25| Comment(0) | おすすめの長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする