2020年03月12日

小説『二十日鼠と人間』スタインベック 訳大門一男

はしっこいジョージと大男のレニーは根無し草の
日雇い労働者コンビ。広大な大地を歩く二人の夢は
土地を買い地主となって牧場を営むことだった。
しかしジョージには懸念があった。
怪力無双で人の倍仕事をするレニーだが、
過去にやっかいな事件を起こしている。
その性質から二人の仕事は長続きせず、資金が貯まらず
多くの労働者のようにその日暮らしの生活に甘んじていた。

ジョージはレニーが余計な言動をして雇用主の前で
ボロを出さないように釘をさす。
しかし動物好きですぐに言われたことを忘れるレニーは
常に危うさを漂わせている。

大麦運びの仕事にありついた二人は牧場で働くスリムや
キャンディと打ち解け心中を吐露する。
信頼できる相手や夢を共有できる相手とも出会い、
仕事も問題なくこなせそう、前途洋々かと思われた。
だがジョージは尻軽な妻とそれに振り回されるくだらない男
カーリーの存在を危惧する。
レニーがなにかしらやらかすのではないか?
不安が拭い去れない。

現在よりも労働者階級や黒人への人種差別が色濃かった
南カリフォルニアを舞台に、夢と現実の狭間で戦う
登場人物たちのやるせなさと葛藤が胸を打つ名作。
新潮社文庫
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 07:52| Comment(0) | 日本の 世界の名作 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする