外国人の目から日本を実体験することで
深く理解(誤解も含めて)していく。
日本人、日本の自然、グルメや温泉や文化、宗教観を
知ることは、神秘体験の連続だった。
日本のことをポジティブ・ネガティブに紹介した二種類の
変なガイド書を参考にしながら、各地の名所をめぐる。
なぜか日本びいきの恋人ジェニファーが
日本に行くようにお願いした理由とは?
「日本人は油断のならない奴ら」と断じる退役海軍将校の
祖父を持つラリーは祖父と祖母によって育てられた。
厳格な祖父とやさしい祖母によってアメリカ人にしては
少々内気で巨漢で大食漢なデブ青年は何を見いだすのか?
異国への旅行による新鮮な感想や人との出会いが感動的。
日本人のメンタリティーや日本の良さや魅力、
外国人にとっては変な部分が浮き彫りになる。
浅田次郎先生の豊富な旅行の経験が盛り込まれている。
…どうかはわからない(1年で120日旅行している)。
主人公の日本に対する勘違いやムダな考察や理解、
ジェニファーへのラブレターがおかしくて愛しい。
日本を理解することは日本を愛する恋人を理解し、
彼女自身を理解することに通じる。だから真剣に考える。
まさに浅田次郎的な笑いと感動が詰め込まれた珍道中は
タイトルのイメージの恋愛小説よりも笑える旅行記という
比重が強い。小学館文庫