2019年05月31日

小説『火花』又吉直樹

花火大会で出会ったお笑い芸人あほんだらの神谷さんに
惚れ込み弟子入りした徳永。
お笑いのために全身全霊をこめて邁進する師匠神谷さんと
僕との日々を描く。そんな愛しくも馬鹿馬鹿しい傑作小説。

平素の破天荒な言動や舞台での暴走などにより
お笑い芸人からも引かれる。
ヒモ的な生活をしながら借金を重ね、
誰よりも純粋にまじめに笑いを追求する探求者神谷。
彼の才能に魅せられたスパークスの徳永は
実生活やお笑いにおいて強い影響を受ける。
繰り広げられる漫才談義、独自の哲学。
お笑いに対する真摯な姿勢。

周囲からバカにされ、受け入れてもらえなくても
ただただ我武者羅にひたむきに我が道を行く。
そんな姿に感動させられ、強く勇気づけられる。
神谷と徳永の何気ない会話が無性におもしろい。
そして、やはり花火のシーンが印象的な作品。
文藝春秋
ラベル:おすすめ 小説
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 07:13| Comment(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月18日

小説『クラスルーム』折原一

教師の恐怖政治によって支配された教室。
生徒たちは革命を起こし、10年の歳月が流れた。
成長し日々の生活を送っていた栗橋北中卒業生たちに
長谷川達彦なる人物から同窓会の便りが届く。

しかし、長谷川達彦という名前に見覚えがない。
卒業アルバムを開いてもそんな同級生はいないし、
元クラスメイトたちの記憶にもない。
また、不審な形で手元に届くので不気味だ。

もしかしたら、10年前のあのことが原因かもしれない。
あのときの「きもだめし事件」には謎が多い。
3年B組の面々は竹刀を振り回す暴力教師桜木によって
息の詰まる学生時代をすごしていた。
桜木をこらしめるために企画されたあの催しが
今回の不可解な事態を招いている。

佐久間百合、秋葉、青野、松尾らかつての生徒たち、
そして桜木は夜の校舎にやってきた。
謎の人物長谷川達彦の正体とは?
現在と過去をリンクさせ巧みに構成された文章。
叙情トリックの名手によるバランス感覚の優れた
傑作推理小説。講談社文庫

posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 17:50| Comment(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする