2017年08月23日

小説『孤島の鬼』江戸川乱歩

恋人が殺された。しかも密室で。
悲嘆にくれる蓑浦は素人探偵深山木に調査を依頼。
しかし、事件の真相に迫った深山木も
蓑浦の近くに潜む犯人により刺殺されてしまう。

かつて自分を寵愛していた親友諸戸道雄は、
自分の恋人に謎の求婚をしていた。
そのことから諸戸を疑う蓑浦だったが、
すべての謎を解くカギは不気味な孤島に潜む
鬼の仕業に違いないと諸戸と共に導き出した。

神出鬼没に姿を現す謎の人物。
孤島に集められた人々…。
鬼がめざす理想郷、莫大な宝とは?
変死にはじまった悪夢のような物語は
島に訪れたことで地獄絵図へと変貌を遂げる。
恐怖体験を経て生き残るのは果たして?
創元推理文庫
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2017年08月15日

小説『紅い白描』松本清張

葉子は日本を代表するデザイナー葛山の下で
働けることになり、期待に胸を膨らませていた。
戦後間もないこのご時世、日本のデザイナーは
海外の模倣ばかりで独創性がないと言われていた。
しかし、葛山はその独特の感性から鬼才として知られ、
作中海外からも評価されるような異彩を放っていた。

この場所で勉強すれば多くの物が得られると思い、
働き始めた葉子だったが、早々に疑問を抱く。
葛山のすばらしい作品と葛山自身の持つ俗物的で
ビジネスライクな言動が一致せず違和感を覚えた。
特に名古屋に旅行に出かけた際に、不信を抱いた葉子は
葛山という人物そのものに疑念を持つようになった。

近所で出会った人懐こい少年と仲良くなった葉子は
不思議と彼に対して関心を持つ。
それはある種のひらめきだったのか。
少年と葛山とは何らかのつながりがあるはず。
葉子はキーパーソンと思われる少年を追う内に
意外な真相にたどり着き、自らの道に悩む。角川文庫
ラベル:松本清張
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2017年08月12日

小説『花のさくら通り』荻原浩

経営悪化に伴い都心部から離れることになった
ユニバーサル広告社は移転も自分たちで行い、
経費を賄うことにした。石井社長の決断に
三人の社員は不満たらたら。通勤時間もひどいことに。
民家のようなオフィスでの仕事はブレーカーが
簡単に飛んでしまい、都落ちしたことを実感させる。

さて彼らがやってきた本来の意味でヤバいさくら通り商店街。
シャッター商店街10選に挙げられる経営不振に陥っていた。
店主たちはこの状況を直視したくなくて、
ただただ威張っていたい長の磯村は会議のたびに
古い因習に従い、若手店主の意見をはね返す。
6月に行われる「さくら祭り」の頃には桜が咲いていないし、
そもそも害虫問題の解決策として桜を切ってしまっていた。
名ばかりのさくら祭りは毎年盛り上がるわけもなく、
係の癒着もあり形骸化した催しに成り下がっていた。

脱サラし和菓子店で家族と共に働く無口な男守は
ユニバーサル広告社に仕事を依頼。
12万円という破格の値段で仕事を引き受けた杉山は
愉快な社員たちと共に商店街を活性化させようと尽力。
しかし、一国一城の主として土地に根差しがんばってきた
面々は新参者である杉山たちを信用していない。
新旧、年代も異なる店主たちを相手に苦戦を強いられ、
半ば意地もあり奮闘する杉山たちは奇策を打ち出した。
この土地で彼らは受け入れてもらえるのか?

離婚し、愛娘早苗と離れて暮らすことになった杉山。
元妻が再婚したこともあり娘から届く手紙に喜ぶが
返事を書くかどうか逡巡し葛藤する。
娘や元妻、再婚相手の気持ちを考えた結果、
クラウチ君という謎の人物からの手紙を送ることにした。
父の想いは、娘に届くのか?
シリーズ第3弾。集英社文庫
ラベル:荻原浩
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2017年08月08日

小説『賢者の贈り物』石持浅海

提示された謎をはらんだ問題から最適解をめざす
おすすめ知的パズル的短編集。
人が死なない極上ミステリー。
作者からのとっておきの10個のプレゼント。
PHP文芸文庫

伝統的にカンニングを推奨しているかのような
不思議な校風を持つ高校。カンニングの用意
(テスト範囲の要点をコンパクトにまとめる作業)
自体が既に勉強につながっているからか。
カンニングペーパーにオブラートを使うことを
思いついたが、思わぬ形で手紙を受け取り、
読まずに飲み込んでしまい…。「可食性手紙」

ワインにはまり、多額の出費を繰り返す後輩を心配した
磯風は元上司と共に一計を案じる。頭から否定しても
かえって意固地になる。奇策を思いついた二人だったが…
「経文を書く」

失恋をしたことからやけ食いに走るわたし。
彼のいる漫画研究会から足は遠のき、体重は増える一方。
そんな私を心配する磯風はなぜか居酒屋に私を誘う。
「最後のひと目盛り」

自分の所有する会社の株がやばいかもしれない。
そんな情報を入手した僕は早々に売り抜けることにした。
しかし自分はいいとして、同期で気心の知れた村田も
僕以上に大量の株を所有している。教えてやりたいが
ボリビア(時差12時間)にいてすぐ連絡が取れない。
奔走する僕だったが…「気に登る」
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2017年08月03日

小説『仙台ぐらし』伊坂幸太郎

コンパクトな都市仙台に暮らす心配性の著者による
エッセイ集。タクシーの運転手さんや猫との思い出、
自身の作品が映画化されたこと、作家になって
ファンと思しき人に話しかけられたら…違った。
自身の作品を買う人を見かけたり、
街でファンと出会ったり、温泉地に出かけたり、
パソコンのデータ復旧を依頼する。
東北では200年に6度大地震があり、
つまり37年周期でやってくる。と不安を抱く。
実際に地震を体験したが、
街並みだけ見たら被害が少なく見える仙台。
でもそこには言葉では言い現わせない想いを抱えて
いる人や心の傷を抱えている人もいて…。
被災地にボランティアにやってきていた人たちとの
出会いから生まれた「ブックモビール」も収録。
集英社文庫。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 07:13| Comment(0) | おすすめのエッセイ・私小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする