渡米した天才少女美咲が告げられたのは唯一の肉親である
父が殺人事件に巻き込まれたというものだった。
羽田空港に来てほしいと言われた彼女は
数学オリンピック金メダルの理系女子でまだ14歳だった。
2年前の母の死により、元々うまくいっていなかった
親子の仲は余計にこじれ、心は離れてしまっていた。
過去の「事件」をきっかけに警察内部で腫れ物に触るように
扱われている刑事筒井は被害者の娘である美咲を迎えに行く。
父の死を悲しんでいないような少女に当惑する筒井は
署をめざすのだが、何者かから襲撃を受ける。
戸惑う筒井、なぜか冷静な美咲。
応援を要請する筒井であったが、上層部の思惑、
謎の圧力がかかり、人手不足を理由に援助を受けられない。
移動する度に襲撃を受け、おまけに警察内部で
誰が味方かわからない筒井は元警察官の探偵小野寺冴
に助けを求めることにした。
徐々に明らかになっていく美咲の父の行動。
警察内部で発生した政治的駆け引き。大義なき行動。
刑事である筒井、そして警察内部の核弾頭鳴沢了、
小野寺冴が抱える正義感の功罪。
孤高の存在であることの難しさと、
組織で生きることのジレンマ。
人間の心は数字化できるものじゃないから
解き明かせない。決して…。中央文庫
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 07:13|
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