2017年05月01日

小説『ダークゾーン』貴志祐介

プロ棋士をめざす3段塚田20歳。異世界の中で
キングとなった彼は将棋とチェス、カードゲームを
混ぜたようなゲームを興じることになった。
仮想現実の世界は空腹や生理的欲求を覚えないが、
肉体的・精神的苦痛はプレイヤーに連動する。
あいまいな記憶の中でプレイヤーたちは塚田の記憶の
中で存在する者たち。自分の教授であったり、
大学の友であったり、恋人である理沙もいる。
理沙たちはゲーム特有の変化(化け物化)しており
それぞれのキャラクターに応じた強大な能力を有する。
キングとなった塚田は、現実の世界で将棋のライバルの
立場にある奥本(キング)と七番勝負をすることに。
状況を把握していない塚田に対し、奥本は先制攻撃を
繰り出し、生死を懸けた頭脳戦が繰り広げられる。

キングをとるまで続くこのゲームは凄惨を極める
非常な殺し合い。まるで地獄のような…。
相手の駒を倒すと、復活し今度は自分の駒となり
味方になるが、それは相手も同じ。将棋同様に
持ち駒は有効であり強力。しかも相手の駒になると
情報をもたらしてしまう危険因子となってしまう。
壮大な戦いを終えるたびに、「現実世界」での出来事が
語られていき、なぜこのような悪夢が引き起こされたかが
明らかになっていく。一読した感想としては
地獄かと思われた世界に一縷の望みがあるようなラスト。
また貴志先生が新たなホラー小説の分野を開拓した。
祥伝社文庫 上・下巻
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 06:53| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする