2016年11月20日

小説『ジャイロスコープ』伊坂幸太郎



蝦蟇倉(がまくら)市にやってきた浜田青年は
「相談屋」稲垣さんの下で住み込みの仕事をすることに。
ときに物騒な解決案をお客様に提示する稲垣さんに
本当っすか?(本当にそれでいいのですか)と首をかしげる
浜田青年だったが、遂に仕事を与えられる。
『浜田青年ホントスカ』

もしあのときああしていれば…。
心ある人間ならば誰しも自らの言動を反省することはある。
日々繰り返される日常の暮らし。通勤にバスを使う主人公は
事件に巻き込まれる。バスジャックであった。
『if』

いろいろな事情からサンタクロースがクリスマスにやってこない
場合がある。そんなこどもたちのために、プレゼントを届ける
会社があった。縁あってこの会社に入った者の中には
プレゼントをもらったことのあるかつてのこどももいた。
冒頭で危機が報じられ、会社での会話となり、見事に帰結させる。
『一人では無理がある』

新幹線の清掃員として働くちゃんとした人たちが主人公。
彼らが尊敬する鶴田さんが急病によって倒れる。
パウエル国務長官によって勇気づけられていた鶴田さんを
心配しながら、彼らが仕事を通じて体験した不思議な出来事を描く。
『彗星さんたち』
など7編を収録。新潮文庫。
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2016年11月13日

小説『百万のマルコ』柳広司

王の中の王フビライ・ハーンに仕え数々の功績をあげた
マルコポーロにより語られる謎かけとその答えが語られるとき
味気ない囚われの身の囚人たちは確かに自由を手に入れた。
退屈を余儀なくされた囚人たちに許されたのは思考することだけ。
マルコが語るとっておきの思考ゲームとは?
巨万の富を王により与えられながら、いつになっても
牢から出ていかないマルコを囚人たちは「ほらふきマルコ」と
呼びながら、いつしかその謎かけを熱望するように。
創元推理文庫
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2016年11月07日

小説『温かな手』石持浅海

人間の生命エネルギーを得ることで生きる知的生命体は
人の姿をし、推理力に長け、人と共生関係をつくっていた。
パートナーと同居している、ギンちゃんとムーちゃんは兄妹。
過剰摂取してしまったエネルギー(カロリー)を吸い取り、
感謝される超人だ。
この兄妹は人間生活で起こる殺人事件や不思議な失踪を
解き明かす高い考察力を有していた。

人間社会に正義はないと断じるギンちゃん、
冗談めかして事件を解き明かしていくムーちゃん。
彼、そして彼女のパートナーにそれぞれ選ばれた
畑、北西は美しい魂の持ち主でそういう人から得られる
エネルギーはおいしいらしい。
ちなみに魂が汚れているとまずいらしい。
じゃあ、松井秀喜とか体操の白井君とかはおいしくて
鳩山由紀夫とか森とかあの歌舞伎役者とかはまずそうだ。

パートナーからエネルギーを吸い取るときは愛情をもって
行われるので心地よいらしいが、悪意を持つ輩に対しては
苦痛を与えながら死に至らしめることも可能である。怖い。
読み手に手をつなぎたい相手を連想させる傑作ミステリー。
創元推理文庫
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