2016年08月14日

小説『満願』米澤穂信

刑事に向かない者がいる。川藤はそんな男だった。
殉職により二階級特進。勇敢にも刃物を振り回す男に立ち向かい
発砲により加害者を射殺したが命を落とした。
彼を指導していた柳岡は違和感を感じていた。
臆病でつまらないミスをし、それを隠そうとする川藤は
かつて自分が罵倒し、辞めさせた男同様にあやうさを感じさせた。
「夜警」

この宿に泊まった者は自殺することが多い。
二年ぶりに見つけ出した恋人佐和子が勤めていたのは「死人宿」と
呼ばれる縁起でもない場所だった。
二年前自分を助けてくれなかった男に出されたのは、
自殺が疑われる宿泊客を見つけ出し、説得することだった。

容姿に自信のある女は、稀代の女たらしを獲得し、結婚。
あいつはやめておけという父の忠告を聞かなかった女は
ろくに家にも寄り付かず、生活費にも困る日々。
そんな彼女の心の支えは、月子と夕子、二人の愛娘だったのだが…
「柘榴」

バングラデシュに赴任し、資源獲得をめざす私。
賄賂、熱波によって失明をもたらすサイクロン、洪水、
現地の人間による暴力。
苦境にめげず、私の前に立ちはだかったのは理想に燃える男だった。
そんな私は、恐ろしい提案を受け…。「万灯」

先輩によってもたらされた都市伝説を調べにやってきたルポライター。
毎年のように人が命を落とす「死を呼ぶ峠」の聞き込みをしようと
ドライブインのおばあさんに話を聞く内に本当の恐怖が…「関守」

かつて大変お世話になった下宿先のおかみさんが殺人を犯した。
弁護士になった私は、彼女の刑を軽くしようと奮闘。
過去を回想しながら、この事件を検証するうちに「真実」が
見えてきて…「満願」

新潮社 ホラーミステリー 珠玉の短編集
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 05:56| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめの短編・短編集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする