2015年11月27日

小説『クジラの彼』有川浩

自衛隊員だって恋をする。
有川節全開のベタ甘制服シリーズは「空の中」「海の底」に
登場したあのキャラの番外編も収録。
ラブコメ好きに送る6つの恋の物語。内3作品をご紹介。

潜水艦を「クジラ」と呼んだことから合コンで親しくなった
恵美であったが、潜水艦乗りの冬原とはろくに連絡もとれない。
そんなとき、会社のウザくて無能な上司に気に入られてしまい、
つきまとわれる日々。私の王子様助けに来て!
表題作「クジラの彼」

恋人と会うために脱柵(隊から脱走)した過去を持つ清田。
そこには「ロミオとジュリエット」のような甘美だが
他人から見たらまぬけな喜劇的要因を含んでいた。
脱柵未遂の隊員に自らの脱柵を語り、その行動を諭す。
「脱柵エレジー」

パイロットの妻を持つ高巳が、自分のこどもに
ママとのはじめてのキスを教えなくてはいけなくなるが
ちょっと複雑なんだよなぁ…。
傑作「空の中」の番外編「ファイターパイロットの彼」
ラベル:有川浩
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 18:53| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの短編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月23日

小説『64 ロクヨン』横山秀夫

64(ロクヨン)。D県警管内で昭和64年に起こった
忌まわしい児童誘拐殺人事件のことである。
14年経った今も犯人は捕まっていない…。

広報官として働く三上は、家庭でも問題を抱えていた。
自分にそっくりの愛娘が家出。彼女は容姿に自信が持てず
整形したいといった娘を思わず殴ってしまい、
最悪の結果でわかれることになった。
皮肉なことに絶世の美女である妻美那子は娘の身を心配し
ふさぎこみがち。
三上は上司に頭を下げ家出人捜索を依頼。
卑劣な上司は「恩」を盾に三上をいたぶりコントロール。
自覚のない悪党は性質が悪い。
美那子は娘からの連絡があるかもしれないと家から出ない。
そして、かかってきた無言電話に娘の安否を重ねる。

三上が円滑に関係を築いていた地元の記者クラブとの関係は
自動車事故を起こした加害者の「匿名」をめぐり崩壊。
上司に相談しても、頑なに明かすなと一点張り。怪しい…。
その後も広報官仲間3人と共に、
上からの命令によって常に厳しい選択を迫られることに。
そんな中、D県警のもので知らぬものはいないと言われる
ロクヨンの問題が再浮上する。警察のトップである長官が
時効間際のこの事件を視察にやってくるのだという。
単なるアピールプレーにしか思えない。
その際に被害者の父雨宮に直接事件解決を誓うので
セッティングするように命じられる。
雨宮にそのことを打診した三上であったが断られる。

64には数多くの隠された秘密がある。
かつての因縁の相手二渡や多くの登場人物たちが謎の行動を
取る中で三上の前に次々と難題が降りかかる。
与えられていない情報が多すぎる。
三上は事件関係者や、かつてのOBなどを訪問し
現状伏せられている事案や64事件の全容解明に乗り出す。

64によって家族を失った者。64によって心を失った者。
今でも64を追う者。そして、64の真相に迫る者。
猛者たちの咆哮。最高峰ミステリーの名手の究極警察小説。
文春文庫 上・下巻
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 11:38| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月08日

小説【空の中】有川浩

高度20000mには何かがいる。
航空機事故が相次ぎ、しかも原因は不明。
事故によって唯一の家族である父を失った高校生瞬は
超知的生命体と遭遇を果たす。
彼は家族の代償とばかりにその不思議ないのちに
愛情を注ぐのだが…。
一方、謎の事故が相次いだことで原因究明に動いていた
自衛隊によって、超巨大な知的生命体が20000mに
存在していることが判明した。

未知との遭遇、そしてそこから派生する危機が起こる舞台は
主人公である瞬が暮らす高知県である。
考えなしに生き物や人に手を出すことは
相手や自分を傷つけることがある。
そんな教訓や人生訓とも言えそうなエピソードを交えながら
高校生の主人公。そして超知的生命体との対話という難局に
直面することになった大人たちの「戦い」を
恋愛を交えて描いた傑作ファンタジー。
有川作品の原点はここにある。角川文庫。
ラベル:おすすめ 有川浩
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 08:53| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする