2015年05月10日

小説『戸村飯店青春100連発』瀬尾まいこ

大阪の中華料理店戸村飯店に対照的な兄弟がいる。
こてこての会話、阪神と大阪新喜劇が大好きな街に
全くなじめない兄ヘイスケ。
要領もルックスもよくモテるが、大阪の笑いが
わからず、家族との折り合いも悪い。

逆に弟のコウスケは、阪神も大阪新喜劇も大好き。
裏表のなく単純でボケるのもうまいので
戸村飯店に訪れる客からかわいがられている。
しかし性格が全く違う兄とは距離感を感じている。
あまりにもわかりやすい性格なので全校生徒に
自分が好きな相手を知られているが本人に自覚なし。
しかも好きな相手岡野は兄のことが好きらしく
ラブレターを代筆してほしいと頼まれる始末。
この「手紙」が後々物語に大きく関わってくる。

居心地の悪い家を出ようと兄は東京の専門学校に行き
作家になると宣言し、家を出ていく。
それは単なる口実ですぐに学校はやめる気である。
あくまで家を出たいだけ。
専門学校に入り、それが縁で親友や恋人もでき
カフェで働くことになる。順応性半端ない。
が、女心は理解していないので相手を怒らせてばかり。
ヘイスケの加入により彼を目当てに女性客は増え
店は繁盛。ヘイスケは店を改善に導く。

大阪にいるコウスケは兄がこの戸村飯店継ぐの嫌だから
出て行ったのだろうなぁ。じゃあオレが継ごうかと考え
大好きな野球や学園生活を満喫していた。
だが三者面談の席で父親は大激怒。
卒業したら出てけと怒鳴られる。
大学に行くことにしたコウスケは
大阪に住む人々や岡野、そして東京に住むヘイスケに
支えられながら猛勉強。
離れたことでつながる絆もあるらしい。

二人の成長を描いた青春小説。清々しい。文春文庫
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 08:09| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする