2015年04月28日

【ズッコケ中年三人組】那須正幹

ズッコケ三人組も40歳になった。初老である。
ハチベエはコンビニ経営者となり、
ハカセは中学教師となり社会科を教えている。
モーちゃんはレンタル店員として深夜働いている。
ハチベエは同級生の圭子と結婚し二子を儲け、
モーちゃんも結婚、実の親と同居、娘がいる。
ハカセは独身だ。
親の仕事の都合などにより離れ離れになった三人だったが
不思議な縁(作者の都合)により近場に住み親交が復活。
そんな彼らの前に因縁浅からぬ相手である
怪盗X(エックス)が姿を現した。

大人になった彼らは小学校時代を懐かしがる。
同時に自分たちが勝手にふるまえたのも
恩人宅和先生のフォローがあったからだなぁと気付く。
かつての同級生たちの近況などをうわさしながら
自分たちに生じる親としての責任だとか、
崩壊しているクラスでの自分の立ち位置などに悩む。

怪盗エックスによる粋なはからいと怪盗予告の挑戦状を
叩きつけられた三人は少年の時に感じたドキドキを思い出す。
家族に累を及ぼす危険があると尻込みする
ハチベエ、モーちゃんであったが、ハカセは闘志を燃やす。
結局三人は荒井陽子と共にエックスが宣言する怪盗予告を
阻止しようと立ち上がるのであった。

ポプラ社
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2015年04月25日

小説【図書館の神様】瀬尾まいこ

きまじめさ故に悲しい過去を持つ私。
かつて情熱の全てをぶつけていたバレーを
再開させたいと高校の部の顧問になろうと決意。
しかし、臨時教師の立場の自分にまわってきたのは
文芸部の顧問という立場。
ろくに本なんか読んだことないのに。
ただ一人在籍する垣内君によって本を読む私は
全く違う価値観、世界を知るようになった。

世界観がすばらしい。読後感がよい。文章がうまい。
三拍子そろった名作である。

他に「雲行き」(母が再婚した相手は不器用だけど
正直な人でした)を収録。ちくま文庫
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2015年04月22日

小説【三四郎はそれから門を出た】三浦しをん

おすすめの書評、漫画論、エッセイ、ルポ、日記
などを通し著者の脳内が見えてくる一冊。
どこを読んでもおもしろいが、
特に自身が働いていた古本屋に出没する濃いお客の
話が印象に残っていた。
地元の本屋ではエロ本を大量に買うくせに
神田三省堂では思想本を立ち読みしている。
またそれを影ながら観察している姿…
明子姉ちゃんかよと。
元捕鯨船の古本屋の社長は本の価値を重さで決める!
そんな店なのに30年以上続いているのが
不思議でならない。
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2015年04月19日

小説『三匹のおっさんふたたび』有川浩

剣道のキヨ、柔道のシゲ、工業系頭脳派ノリは
還暦すぎても精力的に生きる悪ガキトリオ。
自警団を結成し、悪党退治や少年の更生など
社会貢献に励んでいる。
平成版三匹が斬る人気シリーズ第二弾。

今回は三匹にとどまらず、祐希の母がアルバイトを
はじめとことで勃発した奮闘記や
ノリの再婚話によって生じた娘早苗の葛藤、
転校していったあの子のせつない恋の話も収録。

三匹の活躍としては、
いやがらせ的ゴミまきちらし騒動、
少年の書店万引き問題、
放火事件捜査中に出くわした三匹のおっさんのニセモノ
とのエピソードが描かれる。
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2015年04月18日

【ズッコケ魔の異郷伝説】那須正幹 高橋信也

縄文人の暮らしをはだで感じようと体験合宿に
やってきたズッコケ三人組他花山第二小の面々。
テレビもねぇ。ラジオもねぇ。車ももちろん走ってねぇ。
風呂もねぇ。オラこんな生活いやだ。

狩猟採集(しゅりょうさいしゅう)により魚や木の芽を食べる。
縄文時代といえば土器だと食器は自分で作る。
不便な体験をすることで現在の便利な生活を知り、
ありがたさを感じる。
文明ばんざい。文明ありがとう。自然と電気を大切に。
毎日だとイヤだけどたまにはいいよね不便な生活。
そんなほのぼのとした気持ちで読んでいたら、
事件は夜に起こります。

なんか荒井陽子が電波的なあやしげなことを言い出します。
カミがどうとか言い出し、何かに憑かれて(つかれて)
しまったかのようです。かまってちゃんかと思ったら、
次の夜にはとつじょオオカミが現われ次々とこどもたちを
おそいます。オオカミは日本にいないはずなのに。
これは悪夢でしょうか。命からがら逃げだした
ズッコケ三人組と陽子、圭子、由美子の六人。
山をこえた先に広がっていたのは自分たちがぎじ体験
していた縄文の世界でした。

ズッコケシリーズ第47弾。これにて50作文紹介完了です。

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2015年04月17日

小説【海賊とよばれた男】百田尚樹

石油業界の風雲児国岡鐵造は骨太な明治男。
妥協しない、誘惑に負けない、消費者目線で
ときに利益を度外視した言動をとる豪傑の生き方は
人々を魅了し、国岡商店の名を世界に轟かせた。
人の暮らしに欠かせなくなった石油の歴史や変遷、
アメリカ、イギリスの非情さ、ズルさを赤裸々につづる。
仕事とは、生き方とは、人とはどうあるべきかを
史実を交えながらダイナミックに描いた歴史小説。
船長(店長)の船に乗った多くの人々と共に
語り継がれる人間ドラマに胸が震える名作。

戦後多くの店員を抱える、国岡商店は倒産の危機を
迎えていた。仕事もなく、戦争の影響で財産もない。
このままでは近日倒産を迎えることは想像に難くない。
馘首(クビ)を行おうという重役たちに対し、
店主鐵造は家族同然に考えていた店員を切ることを禁じる。
戦争によって優秀な店員を失った悲しい過去のある彼は
たとえ一人であっても家族とみなす者を切り捨てることが
あってはならないと考えていた。
たしかに戦争で失ったものは大きかったが、
彼の下には彼を慕い、全力で仕事に心血を注ぐ者が集まり
それが会社にとってかけがえのない財産であった。

ときに採算を度外視し、競合他社を圧倒する働き方をする
最強集団国岡商店は石油業界では危険視され
幾多の迫害に遭う。しかし、消費者や国の為に安価な
安定供給をしようと心がける高潔な生き方に共感し
優秀な者が集まり、その人柄が人の心を動かす。
私心を捨てて他者の為に生きるその姿はまさにサムライ。
人材と強力な刀(タンカー)、恩人日田を筆頭とした
彼に助力を惜しまない人との出会いが感動的だ。
どんな困難に遭おうと弱音を吐かずただ自分の信じた道を
愚直にひたはしる。文句なしの名著。

講談社 上・下巻
ラベル:おすすめ
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2015年04月16日

『ズッコケ中年組 AGE47』那須正幹

ハチベエが政治家に?ハカセにこどもができる?
モーちゃん母親の介護問題!
中年になった三匹のおっさんならぬ三人組が
それぞれの問題を抱えながら現実に立ち向かう。

ミドリ市の市議会議員として
ハチベエこと八谷良平に白羽の矢が立った。
思えば、児童会長になろうと小学校六年生の時
同級生のモーちゃん、ハカセや仲間たちと共に
がんばったなぁ。ハチベエは選挙に打って出た。
たくさんの人に支えながら当選めざして奮闘中。

ハカセは荒井陽子と結婚。
陽子の過去の恋愛模様も描かれる。
初めはこどもを夫婦でつくらないし産まないと
考えていたハカセだったが…。

モーちゃんの母親が家に
いるはずのない泥棒がいると言い出す。
最近治まっていたが、どうやら母のボケが再発
したのではないかと心配するモーちゃんだったが…

変わらぬ三人の友情と絆が心地よく感動する。
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2015年04月12日

『ズッコケ三人組と学校の怪談』那須正幹 高橋信也

創立120周年を迎える花山第二小には
なぜか小学校につきものの学校の七不思議がない。
ライバル花山第一小にはあると言うのに。
なんかくやしいじゃないかと思ったズッコケ三人組は
自分たちで花山第二小の七不思議を作り出すことにした。
ケーキと怖い話には目がないクラスの女子5人も加わり
10人で案をしぼった。
アイディアを出しあったら話は8個生まれた。
どうせなら七不思議ではなく八不思議にしてしまおう。
内容も数でも優れていると喜んだ面々はさっそく
この八不思議のうわさを広げることにした。

八不思議はゆかに落ちた牛乳のようにすごい勢いで広まったが、
それにともなって、じっさいに八不思議に体験する者も
ぞくぞくと登場した。
初めは自作自演だと思っていたのだが、
ついには制作者たちも八不思議の体験者に。
しかし、それは事件のはじまりにすぎなかったのです。

ズッコケシリーズ30弾。
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2015年04月11日

小説【龍神の雨】道尾秀介

雨が龍を連れてきて、人の心を惑わせて…。
家族を亡くした未成年の兄妹、兄弟。
血の繋がらない家族と同居するそれぞれの主人公たちが
直面する事件を臨場感たっぷりに描いたミステリー。
龍という名の悪魔は人の心に棲んでおり
ときに人を凶行に駆り立て、
家族を信じることさえも奪っていく。
悲しみや痛みを雨が洗い流してくれれば
とかくこの世は住みやすいのに。
凶行のきっかけは雨だった。

新潮社
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2015年04月08日

【ズッコケ三人組の大運動会】那須正幹 絵前川かずお

ハチベエにとって運動会は晴れのぶたいだ。
足は速いし、組体操のピラミッドは一番上に乗る。
しかし、ハチベエは転校生努に競走で負けたことで
いたくプライドを傷つけられる。
ハチベエは特訓して本番では努に勝ちたいと考える。

運動はあまり得意でないハカセ、
いつも運動会ではパッとしないモーちゃんも
どうせならいい成績をとりたいと練習に参加。
速くなるにはどうしたらいいのか。

努の足が速いのは、陸上にくわしい兄と共に
練習に取り組んでいるかららしい。
三人は努のお兄さんに速くなるコツ、走り方を
教わることにするが、努はおもしろくない。

強くライバル視し合うハチベエと努だったが
組体操の練習中に事件が起こる。

三人は結局何番でゴールテープを切るのか。

練習の成果はあるのか。
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2015年04月05日

【参上!ズッコケ忍者軍団】那須正幹 高橋信也

夏休みになり、カブトムシをとりに山に行った
少年たちがエアガンで武装した少年たちにうたれ
ケガをした。ドラゴン部隊と名乗る彼らは、
花山第一小のこどもたちと
彼らのリーダーである中学生。
カブトムシをとりにいったのは
花山第二小のこどもたちだ。
いわゆるなわばりあらそいである。

この話を聞いた第二小の六年生
ハカセ、モーちゃんは話し合いによる解決をのぞむ。
しかしハチベエは武力によるしかえしを考える。
とりあえずカブトムシをとることをみとめさせ、
また危害を加えないようにと主張する三人。
しかし相手は力づくでうばってみろとあざわらう。

三人は仲間をつのり、ドラゴン部隊と戦うが
こてんぱんにやられてしまう。
特にはじをかかされたハカセ、モーちゃんは
彼らをゆるせないとファイトを燃やす。

何より作戦がまずかった。
敵の戦力や武器、戦地などの情報もなく、
逆に自分たちの情報を与える始末。
相手はこちらが攻めてくるのがわかっているのだ。
むかえうつ用意はととのっている。
これでははじめから負けて当然だ。

知恵をしぼった三人は
新たに仲間をつのり忍者軍団を結成。
女子も仲間に加え「くノ一」とした。
戦う訓練をするかたわら、何よりも相手の情報を
手に入れることが先決と考えた。

ズッコケシリーズ第28弾
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2015年04月02日

小説【下町ロケット】池井戸潤

佃製作所は高品質の技術力を持つ中小企業。
ロケットを飛ばす宇宙開発機構の研究員だった
佃が社長を務めるこの会社が危機を迎える。
主要取引先が一方的な契約の打ち切りを通達、
長年つきあいのあった銀行は業績の悪化を理由に
傘(融資)を引きあげる露骨な態度をとる。
銀行から出向してきた殿村と共に憤る佃だったが
更に追い打ちをかけるような事態が起こる。

業界内の鼻つまみ者ナカシマ工業が佃製作所は
自社の特許を侵害していると裁判を起こすという。
むしろ大手のナカシマ工業の方が猿真似して
特許侵害をしているのが事実。
だが、優秀な弁護士を抱え法廷闘争に持ち込み
勝利と権利を勝ち取ることを得意とする
この悪徳会社によって佃製作所は大ピンチ。
下手に裁判が長引けば風評被害だけで
取引先をなくし、倒産の憂き目を見るのは明らか。
ピンチに陥った佃は、別れた妻の伝手で優秀な
弁護士に窮地を任せることにした。

また、特許という面で業界の雄である帝国重工が
佃製作所と話し合いたいという連絡が入る。

モノづくりに必要不可欠なプライド、品質、情熱。
そして、夢と現実と直面し、たくさんのピンチを
迎えながら、迷い、考え、たくさんの仲間と共に
巻き起こる問題と正面から向き合っていく。
まさにピンチの時こそその人間の真価が問われる。

ロケットを飛ばすのは莫大な資本や燃料もあるけど
なにより人の気概をおいて他にない。
posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 09:15| Comment(0) | TrackBack(0) | おすすめの長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする