2015年03月19日

小説『流星の絆』東野圭吾

流星を観に行っていた三兄妹。

帰宅したら両親が殺害されていた。

弟、妹を守ろうとする兄、

犯行現場から立ち去る男を目撃した弟、

幼い妹の三人は施設で暮らすことを余儀なくされた。

もう、父の絶品の「ハヤシライス」は食べられないし

母と会うことはできない。

担当刑事柏原は悲嘆に暮れる三兄弟を心配するが

捜査は難航し、進展を見せぬまま月日だけが流れた。


流れ星に復讐を誓った彼らは、

自分たちが詐欺の被害に遭ったことで

騙される側から騙す側になることを決意。


14年の歳月が流れ、時効まで残された期間は当時1年。

頭脳卓抜な長兄功一が詐欺の計画を立案、

決定するリーダー格。

どんな役柄も演じられる次男泰輔、

美貌と男を転がす魔性の女静奈が実行役。

流星の絆によって結ばれた彼らは、

身分を隠し、ターゲットを決めお金をだまし取る。


1000万円はだまし取れそうな標的も決まり

いい加減詐欺などやめようと考えていた功一。

しかし、急成長を遂げたレストラン経営者の息子

ターゲット行成に近づく静奈を見守っていた泰輔は

功一の父親が事件現場で見た男に似ていると気づく。

また、静奈は行成がつくるハヤシライスの味が

昔食べた父の味に酷似していると兄弟に告げる。

限りなく怪しいと判断した功一は、

犯人を追いつめるために計画を練り上げ、

泰輔、静奈と共に自らも危ない橋を渡る決意を固める。

しかし最大の誤算だったのは、

妹が抱いた罪悪感と恋心であった。

人間の真価が問われる会心の一作である。


講談社文庫 600ページ超。



posted by book0001,世界は誰にでも、読書初心者におすすめ at 08:01| Comment(0) | TrackBack(0) | すごくおすすめ長編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする