毎日気楽に生きてきた女子大生可南子であったが
遂に就職戦線が訪れた。氷河期まっただ中。
つぶしの利かない文学部の可南子の志望は
毎日漫画を読めそうな出版業界だ。
マンガに対するうんちく、知識は並じゃない。
熱意もある。
でも人気が高く志望者も多い出版業界は狭き門。
態度の悪い面接官にイラつかされ、しかも
結果は連戦連敗。内定が遠い…。
気が合うだけあってどこか呑気な友だち、
家庭をかえりみない政治家の父親、義理の母、
優秀な弟。派生する父の後継者問題。
姉と弟どちらかを後継者にとしゃしゃり出てくる親族。
えらく年の離れた脚フェチ書道家との不思議な恋。
想像した以上に騒がしい毎日と青春が彼女を待っていた。
可南子はこれらと格闘しながら何かを思い、
何を感じ、何を得て、何を失うのか?
デビュー作にして才能を魅せつける。