2014年12月27日

小説『Run!Run!Run!』桂望実

中学・高校と区間新を出し続け負け知らずの

長距離ランナー岡崎優は大学陸上部に入部。

エゴイズムを貫き、長距離ランナーとして

遺伝子的にも大変恵まれた肉体を持つと証明された優は

自らの為に動く育成チームを大学側に要求する。

箱根駅伝は通過点に過ぎず、目標はオリンピックに出て

金メダルを取ることである。

わがまま放題、言動は最低の彼は周囲の反感を買うが

ある日医学部に通う非常に優秀な兄が突然死を遂げた。

競馬場で兄が言っていた意味深な言葉。

また、兄に偏愛を注いでいた母が漏らした発言から

彼は疑心暗鬼にかられていく。

自分とそして兄は遺伝子操作によって

意図的に恵まれた才能を持って生まれてきた

存在なのかもしれない。

父は母が兄の死によっておかしくなったと言うが

優の中での不安は募るばかり。

なぜなら親戚の中にそのような事例に

精通した者がいたからだ。

もし仮に自分がそんなあってはならない行為に

よって生まれた存在であったら、

自分の記録ははたまた自分という存在を

世間は認めてくれるのであろうか。


深い葛藤、誰にも打ち明けられぬ日々を送る優は

性格おおらかな岩本らとの関わりの中で

どのように考え、どのような答えを出すのか?


文春文庫
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2014年12月21日

小説【三匹のおっさん】有川浩

還暦迎えた60歳のかつての悪ガキ三人組。
まだジジイと呼ばれ、好々爺に甘んじるほど
気持ちも身体も老いていない。
せめておっさんと呼んでくれ。

剣道のキヨ、柔道のシゲ、工業系頭脳派ノリ。
強力な三匹のおっさんたちは自警団を結成し
自分たちの目の見える範囲で
悪党たちを退治することにした。

平成版三匹が斬る的彼らの痛快な活躍は
彼らの孫である祐希や愛娘早苗も関わることになり
彼らや周囲の人々に多大な影響を与えていく。

年輪を無駄に重ねなかったチョイ悪親父たちの
馬力と含蓄、そして哀愁や、若者たちの成長。
きっと死ぬまで青春な彼ら三匹の生き様ご覧あれ。

文春文庫
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2014年12月13日

小説『県庁おもてなし課』有川浩

高知県にパンダを呼ぼう!
二十数年前にある県職員が提示し、実現すれば
大きな観光の目玉になること請け合いの企画だった。
しかし、事なかれ主義のお役所のこと。
熱心なその男の呼びかけは受け入れられず、
官職に追い込まれた男は失意のまま県庁を去る。

そして時は流れた…。

高知県庁に「おもてなし課」が生まれた。
若手職員掛水は高知振興のために著名人たちを
観光特使に依頼し、名刺を配ってもらうように
呼びかける。しかし、そこはお役所仕事。
民間の感覚を持たない彼らはことごとくチャンスを
失っていく。そんな中、地元出身の人気作家である
吉門という男だけは親身になってこのお役所仕事に
痛快なまでのダメ出しをしてくる。
吉門に触発された掛水は彼のアドバイスを受けながら
このダメダメなおもてなし課の意識改革に乗り出す。
たまたまアルバイトとして働いていた優秀な多紀を
コンビに据え、吉門が推挙するある男に会いに行く。
それはかつてパンダ誘致論を唱えた奇抜な男だった。
吉門とその男には浅くない繋がりがあった。

高知の最大の売りである自然を武器に攻勢をかける
ことにした同志たちは、ときに苦く渋い想いをしながら
県振興、観光促進をめざして歩き出していく。

地方を舞台に仕事と恋をからめた人間ドラマを痛快に描く。

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2014年12月10日

小説『キケン』有川浩

『キケン』こと成南電気工科大学機械制御研究部は
文字通り危険人物たちが集まるサークルである。
特にボマーと恐れられ校内をバイクで疾駆し、
実家から隔離された場所に住む
学園の問題児上野部長の言動は目を覆うばかり。
そんな上野やワルノリしてしまうメンバーを
統率しているのは大魔神と恐れられ
周囲に無言の圧力を与える副部長大神である。

小学校の頃から無類の火薬好きだった上野によって
集まった厄介集団が織りなす理系男子たちの青春物語。

物語は上野にその才能を見出された一見フツーの元山、
そして物怖じしない池谷がキケン「機研」に入り、
様々な事件に遭遇し、たくましく成長していく姿を
回想していく形式で描かれている。
砂場で爆発を起こし、高嶺の花と思しき令嬢と恋に落ち、
ラーメンを売りまくり、ロボット相撲に参加し、
熱い情熱を傾けたあの日々…。
全力で駆け抜けた日々の想い出は宝物になった。

新潮文庫

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2014年12月07日

小説『僕と先輩のマジカル・ライフ』はやみねかおる

まじめすぎる僕こと井上快人と霊能力者川村春奈は
今春からM大学生になる。
春奈は豪華マンションに入居するが、
快人はできるだけ親の負担にならないようにと
激安寮今川寮に住むことに。
なぜこんなに安いんだ…。
どうもここは幽霊が出るらしい…。不安な門出だ。
でも、非科学的なことは春奈の存在以外は
全く信じていない彼はこのドンキ的爆安寮に
住むことにした。
そこは幽霊に負けないくらい個性的な同居者たちが棲む
おもしろくも不気味な建物。
特に住民たちから恐れられている特異な存在
長宗我部慎太郎先輩との邂逅が遭った。
春奈を筆頭に変わり者に懐かれてしまう僕こと快人は
痛恨の一撃的一言を発したことで
この先輩に憑かれてしまう。

彼の周りで起こる不思議な事件や事象を解き明かしていく
青春キャンパスミステリーを軽妙なタッチで描いた本作は
作者のはやみねさんの持ついい意味での児童性が
見事な世界観とポップさを演出している。

角川文庫
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2014年12月06日

小説『太陽の村』朱川湊人

飛行機事故にあった巨漢のひきこもり坂木龍馬。
目が覚めたら、そこは不思議な村でした。
電気もない。ガスもない。水道もないが車はある。
ただし大八車だ。
謎の年号宝明年間にやってきた巨漢のデブは
海坊主と言われ、村人たちから奇異の目で見られる。

俺タイムスリップしちゃったみたいだ…。
なんとか現状を受け入れることにした坂木龍馬は
とりあえずお世話になっているお返しに
村の野良仕事のお手伝いをすることに。
自給自足の仕事のかたわらで少しずつこの村が抱える
問題に直面していく。

どうやらこの村は鎌倉・南北朝時代当たりの文明レベルで
幻術を用いるうさんくさい地頭親子に支配される村であり
彼らによって父親を殺された少年桃太郎は
変な師匠と共に修行に励んでいるらしい。

ひょんなことから物語の「走れメロス」を語った龍馬は
村人たちの感動を呼び、村中で彼は語り部として
俄然注目を集めるようになった。
そこには女性である浦からの熱い目線があった。
それは彼が産まれてこの方体験したことがない
うれしい出来事であった。

ありあまる文明によって堕落した現代人が
未開の地にやってきたことで本当の生きる意味を
見つけられるのか?

小学館文庫
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